はじめに
最近、「静かな退職(Quiet Quitting)」という考え方が話題になっています。
── 会社に忠誠心を持ちすぎず、昇進も出世も望まず、最低限の業務をこなし、自分の時間や人生を大切にする。
そんな働き方に共感する人も増えているようです。
でも、ふと思うのです。
“静かに”働くことと、“人生を楽しむ”ことは、果たして両立するのだろうか?と。
静かな退職が広がる理由
一昔前は「努力は報われる」時代でした。
がむしゃらに働けば成果が出て、昇進もして、給与も上がっていく。
でも、今はそうとは限りません。
いくら頑張っても、組織の構造や経済の流れが変わらなければ、報酬が比例して増えるわけでもない。
そうなると、
「がんばる意味ある?」
「無理せずに暮らせるなら、それでいいよね」
と考える人が増えてくるのも、当然なのかもしれません。
二者択一じゃなくていい
筆者自身も、「静かな退職」の姿勢に共感する部分はあります。
でも同時に、それがすべてだとも思いません。
“仕事を頑張ってプライベートを失う”
“自分の時間を守って仕事はほどほどに”
── そんな風に、どちらかしか選べないように思い込んでいませんか?
でも、本来は両方持っていいのだと思うのです。
仕事もがんばる。プライベートも充実させる。
その二つを同時に叶えられるよう、日々の働き方を“うまく設計”していくほうが、結果的には豊かな人生になるのではないでしょうか。
「上の目標」と「下の目標」
やる気が出ない理由として「目標がないから」という声もよく耳にします。
── でも、それって「出世したい」とか「起業したい」みたいな、“上の目標”がないという意味ですよね。
でも実際、「明確な夢がある」という人って、そんなに多くないはずです。
とくに30代以降になると、経験を重ねて視野も広がり、他人の成功や理想像ではなく、“自分にとっての幸せ”を大事にするようになってくる。
そこで大切になるのが「下の目標」。
あの頃に戻りたくない
筆者も、高校時代に勉強をサボって浪人し、孤独で焦燥感にまみれた1年を送りました。
あの苦しさを、二度と味わいたくない。
だからこそ、“とりあえず頑張る”が今の自分のベースになっています。
将来を甘く見ない
終身雇用は崩れ、年金も不安定。
もし大きな病気をしてしまったら?
── そんな“もしも”の未来を想像してみると、今の積み重ねが未来の安定を作るのだと気付かされます。
自分を好きでいるために
仕事を適当に流している自分を、心から好きになれますか?
小さな挑戦や、丁寧な積み重ねの先にしか、本当の自己肯定感は育たないのだと思います。
騒がしく働いて、プライベートも手にいれる
「静かな退職」のも一つの選択肢だけれど、
もしあなたが未来にもっと自由を手に入れたいなら、
“騒がしく働いて、プライベートも充実”というスタンスも、
目指す価値があります。
ここで言う“騒がしい”とは、無理をするという意味ではありません。
主体的に、能動的に、自分の工夫で動いていくという意味です。
静かに守るだけでは得られないものが、
自ら動くことで見えてくる。
結果として、選べる人生の幅が広がる。
そうなれば、プライベートもきっと充実する。
残業しなくても結果は出せます。
主体的な提案をして、仕事が増えても、成果は出せます。
日々の働き方を工夫すれば、無理しなくてもしっかりと評価されます。
その働き方は、また後日詳しく書きたいと思います。
まとめ
仕事を単にこなすだけでなく、
少しだけ“騒がしく”動いてみる。
それが、プライベートの幸せを引き寄せることもある。
「頑張る意味なんてない」と思っているあなたへ。
“上の目標”がなくても、動く理由はある。
今の自分を、好きでいるために。
それではまた明日──
SOWN 代表
片倉