はじめに
以前、HSP(Highly Sensitive Person)についての記事を書いたことがあります。
いわゆる「繊細マン」です。
繊細であるがゆえに、人とのコミュニケーションのなかで深く考えすぎたり、ちょっとしたことに傷ついてしまったりすることがよくあります。
けれど、それは悪いことばかりではありません。繊細さをうまく扱えば、むしろ人との関係を丁寧に築く力にもなります。
今日は「繊細マン」である自分自身が、日常の中でどんな工夫をしているかをシェアしたいと思います。
一番傷つくのは
繊細マンにとって、一番辛い瞬間は「相手からきついことを言われたとき」ではありません。
私の場合、最も傷つくのは「自分の言葉で相手を傷つけてしまったかもしれない」と思った時です。
「あの言い方は良くなかったかも」
「相手を嫌な気持ちにさせてしまったかも」
そう考え始めると、頭の中でそのシーンが何度もリピートされ、後悔の気持ちでいっぱいになります。
これはHSP特有の「共感性の強さ」が関係していると思います。自分が傷つく以上に「人を傷つけてしまう」ことに敏感で、その罪悪感で心がすり減ってしまうのです。
後で反省会が始まる
そして困ったことに、この「反省モード」は長引きます。
私の場合、家に帰ってからお風呂に入っているときや、ベッドに入って寝る前にふと思い出し、セルフ反省会が始まります。
「あのとき、ああ言えばよかったのに」
「なんであんな言葉を選んでしまったんだろう」
そんなふうに頭の中で何度も再現され、心のエネルギーを奪っていきます。
もちろん反省すること自体は悪いことではありません。ですが、過度な反省は「自分を責める癖」につながってしまうため、うまく線引きをする必要があります。
言葉を慎重に選ぶ
そこで私が心がけているのは、普段から「言葉を慎重に選ぶ」ことです。
とはいえ、あまりに気を使いすぎて何も話せなくなってしまっては意味がありません。
大切なのは「相手を否定する表現を避ける」「自分の気持ちを主語にする」といった小さな工夫です。
例えば、
「それ違うよ」ではなく「私はこう思うな」
「なんでそんなことしたの?」ではなく「それってどういう意図だったの?」
といった具合に、自分の伝え方をほんの少し変えるだけで、相手に与える印象は大きく違います。
補足して伝える
とはいえ、どんなに気をつけていても完璧にはいきません。
「あ、ちょっと言いすぎたな」と思うことは誰にでもあります。
そのとき私が大事にしているのは「後日、きちんと補足する」ことです。
「前に話していた時、あんなことを言っちゃったけど、あれは本心じゃないんだ」
「ちょっときつい言い方になっちゃったけど、ごめんね」
素直に一言伝えるだけで、相手との関係はむしろ深まることがあります。人は「失敗をしない人」よりも「失敗を認めて修正できる人」に信頼を感じるものだと思います。
傷付けあうのがコミュニケーション
そして、最終的に私がたどり着いた結論は「傷つけ合うことは避けられない」ということです。
どんなに気をつけても、人と関わる以上、誤解やすれ違いは必ず起きます。
それでも人と関わるのは、そこに喜びや温かさがあるからです。
大切なのは「完全に傷つけないこと」を目指すのではなく、「傷つけてしまったときに、どうリカバリーするか」を考えること。
繊細さは時に生きづらさになりますが、工夫次第で「人を大切にできる力」に変えることができるのだと思います。
まとめ
繊細マンとして生きるのは簡単ではありません。
相手を傷つけてしまったかもしれないと悩み、反省会を繰り返し、言葉に神経を使うことも多いです。
しかし、その繊細さがあるからこそ「人との関わりを大事にできる」面もあるのではないでしょうか。
繊細さは弱点ではなく、むしろ人間関係をより丁寧にするための力。
これからも工夫を重ねながら、繊細マンとしての強みを育てていければと思います。
それではまた明日──
SOWN 代表
片倉