はじめに
「静かな退職」というワードが話題になって久しいですが、昨日のSOWNブログでは、それに対するもう一つの選択肢として「騒がしく働いて、プライベートも充実」という働き方を提案しました。
必要以上に働くことなく、でも結果はきちんと出す。
そんな理想的な働き方を叶えるには、日々の工夫が欠かせません。
今回は、しっかり成果を出しながら、定時で帰るための具体的な仕事術を5つ紹介します。
静かに燃えるように、自分らしく、丁寧に仕事をこなしたい人に向けて──。
1. 頻繁に「2割」で共有する
多くの人は、ある程度完成に近づけてからフィードバックをもらおうとします。
たとえば8割くらいまで進めてから「一度確認お願いします」と伝える。これは一見丁寧ですが、方向性がズレていた場合、8割の労力がまるごと無駄になるというリスクがあります。
そこで、**おすすめしたいのは「2割できたら共有」**というアプローチです。
もちろん3割でも4割でも良いのですが、「まだ途中だけど…」くらいのタイミングで見せてしまうことで、方向性の認識ズレを最小限にできます。
2割→4割→6割→8割→最終といったように階段を登るようにフィードバックを重ねることで、仕事の精度が上がるだけでなく、修正のストレスも減る。
丁寧に進めることと、無駄を省くことは、決して矛盾しません。
ちなみにこの方法は、慣れていない仕事であったり、重要な案件など、慎重に進める仕事に適しています。
2. 初速で“ほぼ完成”を目指す
先ほどの方法と矛盾していますが、こちらの方法は慣れている仕事、普段からこなしている仕事向けの方法です。
たとえば、2週間後の納期の仕事。
あなたはいつから本腰を入れますか?
多くの人は、先延ばしにしがちです。
でも、ここでおすすめしたいのが、**“初速で8割仕上げる”**というやり方。
最初の3日ほどで一気に集中して形にしてしまい、残りの時間をブラッシュアップや調整にあてるのです。
筆者の経験では、この“初動のエンジン全開”が習慣化すると、常に仕事に余裕が生まれます。
次の仕事にもすぐ手がつけられ、積み重ねの中で信頼も得られ、ストレスも減っていく。
特に創造的な仕事では、**「間に合わせるための思考」より「育てるための思考」**が必要です。
だからこそ、早めに着手し、丁寧に整える時間を確保しておきたいのです。
3. 意味のない仕事は、やらない勇気を
全ての業務が等しく価値あるわけではありません。
なかには、誰のためにもなっていない仕事や、創造性も成果も伴わない“慣習的な作業”もあります。
もちろん、雑務や補助業務も必要なことはあります。
しかし、自分の強みや感性が発揮できない仕事を延々とこなすことは、あなたの成長や評価にとってもったいない。
「これは誰にとって意味があるのか?」「工夫する余地はあるか?」
そう問い直すクセを持ちましょう。
必要でないものに時間を奪われないように、自分の時間に責任を持つ。
断る勇気は、結果的によりよい成果へとつながります。
4. 午前中は集中、午後は肩の力を抜いて
人間の集中力は、朝が最も高く、午後に向けて下降していくと言われています。
その特性を活かし、午前中は“全集中”、午後は“ゆるく効率的”にという切り分けをおすすめします。
具体的には、午前中はメールやチャットを開かず、通知もオフにする。
一つの仕事にグッと集中して取り組む時間をつくることで、「あれもこれもに気を取られる状態」から自分を救えます。
午後は、打ち合わせやメール返信など“他者と共有する仕事”にまわすことで、力のバランスが取れ、疲れの溜まらない一日を作れます。
働き方にも、リズムと温度差を。
5. 前日に「明日のタスク」をまとめる
朝、デスクに座ってから「今日は何からやろうか…」と迷う時間。
実はこれが、集中力のロスにつながります。
前日の最後に、「明日やること」「取り組む順番」「必要な資料」などをざっとメモしておくだけで、翌朝のスタートダッシュがまったく違います。
今日の自分が、明日の自分のために道筋を整えておく。
それだけで、次の日の朝、ちょっとした安心感とモチベーションをもって仕事を始めることができます。
そして何より、「やるべきことが明確な朝」は、心が整っているのです。
高速仕事術は、心の余白もつくる
ここまで紹介した仕事術を取り入れると、**“結果を出しながら、余白のある働き方”**が可能になります。
定時で帰れることは、怠けではなく、仕組みと工夫の積み重ね。
仕事をただこなすのではなく、自分の時間、感性、生活すべてを含めた「自分の人生」として捉え直す。
筆者が大切にする、“感性と理性のバランス”を、ぜひあなたの働き方にも。
まとめ
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小さな進捗でも早めに共有し、ズレを防ぐ
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初速で一気に仕上げ、ブラッシュアップの時間をつくる
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無意味な仕事は見極めて、距離を置く
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午前中は集中、午後はゆるやかに
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前日に明日の仕事を設計しておく
この5つを意識するだけで、あなたの働き方は確実に変わります。
効率と感性は、共存できます。
「丁寧に生きること」を、働き方から始めてみませんか?
それではまた明日──
SOWN 代表
片倉