ふと気づくと、疲れているときほど
“いつもの曲”に手が伸びていませんか?
新しい音楽を探す気力はなく、
気づけば昔から聴いている曲や、
心が落ち着くアーティストばかり再生している。
これはただの「癖」ではなく、
心の防衛反応のようなものです。
疲れているときに“新しい音”が重く感じる理由
脳は疲れていると、
情報処理に使うエネルギーを節約しようとします。
知らない曲、新しい音の展開、初めて聴くリズム…。
これらは意外と脳にとって“負荷”のかかる刺激。
だから、疲れているときは自然と
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予想できるメロディ
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聴き慣れた声
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曲の展開がわかる安心感
こうした“処理しやすい音”を求めやすくなります。
言い換えると、
同じ曲を聴く=心が省エネモードに入っているサイン
なんです。
“同じ曲”には、記憶と感情のショートカットがある
疲れたとき、私たちが聴くのは
しばしば「思い出」が宿った曲です。
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学生時代によく聴いた曲
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心が折れそうな時期に支えてくれた一曲
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朝の通勤で流すと気持ちが落ち着く曲
これらはすでに、
脳に感情の回路ができあがっている音。
そのため1秒聴いただけで、
安心したり、落ち着いたり、少し前向きになれたりする。
まるで、
心のスイッチを押してくれる“音のショートカット”
のように働くわけです。
“同じ曲ばかり聴いてしまう時期”は悪いことじゃない
「新しい音楽を聴けていない…」
「同じ曲ばかり聴いてて、なんか停滞してる?」
そんなふうに思う必要はありません。
むしろ、
「心が安心を求めている時期なんだ」
と捉える方が自然です。
心がふっと軽くなるまで、
お気に入りの曲に身をゆだねればいい。
音楽は、前に進むためだけでなく、
立ち止まるためにも存在しているのだと思います。
元気が戻ると、自然と“新しい音”が欲しくなる
不思議なもので、
心の余裕が戻ってくると、
自然と「新しい音楽」が聴けるようになります。
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新しいアルバムを聴いてみよう
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あのアーティストの曲が気になる
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久しぶりにジャンルを広げてみよう
この変化は、
心が回復しているサインです。
逆に、新しい音楽が重いと感じたら、
まだ疲れが残っている証拠。
心の状態は、
意外にも音楽の聴き方に素直に反映されます。
“今の自分”が求める音を選べば良い
疲れているときは、
いつもの曲でいい。
元気なときは、
新しい音に出会えばいい。
そのバランスこそが、
私たちの“音の感性”を育てていきます。
人生のリズムも、心のコンディションも、
決して一定ではないからこそ、
その時々の自分が求める音を、
ただ静かに受け入れてあげる。
それだけで、
十分に優しい選択なんだと思います。
それではまた明日──
SOWN 代表
片倉