皆さんは、洋服をどんな“ツール”として捉えていますか?
「自分を表現するためのもの」と答える人は多いと思います。
でも私は、おしゃれな人ほど、洋服をコミュニケーションツールとして使っていると感じます。
つまり、「自分のために着る」だけでなく、「誰かと関わるために着る」──そんな感覚を持っているのです。
自己満足の服か、誰かを意識した服か
たとえば、朝服を選ぶとき。
「自分が好きだからこれを着たい」と思うのか、
「今日会う人との空気に合いそうだな」と思うのか。
どちらも間違いではありません。
でも後者の人のほうが、ファッションを通して他者とつながる感覚を持っています。
それが“コミュニケーションツールとしての服”の本質だと思うんです。
スニーカーに見る「モノとしての服」と「会話する服」
わかりやすい例として、スニーカーがあります。
スニーカーは、ファッションアイテムの中でも“コレクション性”が強いアイテム。
だから、洋服には気を使わないのに、スニーカーだけ派手だったり、限定モデルを履いていたりする人がいます。
これは、スニーカーを“モノ”として楽しんでいるパターン。
その一方で、おしゃれな人は、スニーカーを買うときにこう考えます。
「今持っている服と合うかな?」
「友人と出かけるとき、雰囲気が合うかな?」
つまり、靴そのものより、周囲との調和や空気感まで想像して選ぶのです。
そこにあるのは、「誰かといい関係を築くための服選び」。
奇抜さよりも、「響き合う」こと
ファッションが好きな人の中にも、2つのタイプがいます。
- 
奇抜さを重視して、周りが見えなくなる人
 - 
周囲とのバランスを考えて、洗練された印象をつくる人
 
前者は「モノとしての服」を楽しんでいて、
後者は「コミュニケーションツールとしての服」を使いこなしている人です。
どちらも“個性”ではありますが、
おしゃれに見えるのは、やはり他者との距離感を感じ取れる人。
服を通して、空気を読んでいる人なんですよね。
服を通して、世界と会話する
洋服は、静かに語りかける言葉のようなもの。
「今日はこんな気分です」とか、「あなたといる時間を大切に思っています」とか。
そんな小さなメッセージを、私たちは服で交わしているのかもしれません。
だから、服を選ぶことは、世界と会話すること。
コミュニケーションをデザインする行為なんです。
それではまた明日──
SOWN 代表
片倉