はじめに
学生でも社会人でも、誰しも一度は「誰かに教える立場」になる瞬間があります。
アルバイト先で新人に仕事を教えるとき。
会社で後輩に業務を指導するとき。
あるいは家庭で子どもに勉強を見てあげるとき。
でも、実際にやってみると「思ったより難しい…」と感じた経験はありませんか?
自分が理解していることと、相手が理解することは違う
教えるときにまず直面するのが、「自分にとって当たり前のことが、相手には当たり前ではない」という壁です。
自分ではスムーズにできることでも、初心者にとっては複雑に見えたり、どこから手をつけていいか分からなかったりします。
「なんで分からないんだろう?」と思うのではなく、**「自分が理解しているレベルと、相手の理解しているレベルには差がある」**という前提を持つことが大切なのだと思います。
OJTの難しさ
実は私自身も、今年は新入社員のOJTを担当しています。
その中で痛感しているのは、「伝え方」の難しさです。
一つの業務を説明するにしても、相手がどれくらい理解しているのかを測りながら言葉を選ぶ必要があります。
さらに時代的にも、会社が人を選ぶ立場から、人が会社を選ぶ立場に変わってきているので、教えるときに「強く言いすぎたら辞めてしまうのではないか」と心配になることもあります。
何か変なことを口走っただけで相手を傷つけてしまうのではないかと、常に言葉選びに気を付けている自分がいます。
このように、単純に知識を伝える以上に「どう伝えるか」に意識を割く必要があり、教えることの難しさを身をもって実感しているところです。
相手に合わせた伝え方の工夫
教える上で重要なのは、相手の状況やレベルに合わせて伝えることです。
理解が早い人には「要点だけ」、初心者には「手順を細かく」。
でも、それを実際にやるのは簡単ではありません。つい自分のペースで話してしまったり、逆に相手を気遣いすぎて回りくどくなったり。
このバランスを見極めることが、教える難しさの本質なのかもしれません。
教えることは「自分を知ること」でもある
ただ一方で、教えることは自分の成長にもつながります。
説明しようとすると「あれ、自分もちゃんと理解していなかった」と気づく瞬間があったり、「この順序で伝えると分かりやすい」と新しい発見があったり。
つまり、教えることは相手の成長を助けるだけでなく、自分の理解を深める機会でもあるのです。
忍耐と共感がカギ
最終的に、教える上で一番大事なのは「忍耐」と「共感」だと思います。
すぐに理解できなくても繰り返し説明する忍耐。
そして「自分も昔はここでつまずいたな」という共感を持つこと。
これがあるだけで、相手は安心して学べるし、教える側も無理なく関われるようになります。
まとめ
教えることは決して簡単ではありません。
でもその難しさの中にこそ、自分自身の学びや成長のチャンスがあります。
伝える工夫を重ね、共感を忘れずに取り組むことで、「教える」という営みは互いにとって豊かなものになるのではないでしょうか。
それではまた明日──
SOWN 代表
片倉