はじめに
「サングラス」と聞いて、みなさんはどんなイメージを抱きますか?
スタイリッシュ、ちょっと怖い、芸能人の変装グッズ──
さまざまな印象があるかもしれません。
実際、日本では日常的にサングラスをかける人はまだ少なく、どこか“目立つ存在”と捉えられることもあります。
しかし最近、筆者自身がある1本のサングラスを購入し、何気なく通勤に取り入れてみたところ、意外なほど心が整う感覚を得ました。
今回は、サングラスをただのファッション小物ではなく、
**“自分の感情をマネジメントするツール”**として見直してみる、そんな視点から綴ってみたいと思います。
日本人と欧米人の“サングラス文化”の違い
欧米では、サングラスはごく当たり前の身だしなみの一部として浸透しています。
小学生から年配の方まで、晴れた日にはサングラスをかけて外出するのがごく普通。
これは単なるファッションの違いではなく、眼の生理学的な違いによるところが大きいのです。
欧米人の多くは虹彩の色が薄く、光を取り込みやすいため、強い日差しに対する感受性が高いという特性を持っています。
そのため、紫外線対策としてサングラスが必需品となる文化が根付きました。
一方で、日本人の多くは濃い色素の虹彩を持ち、ある程度日差しに耐えられる眼の構造をしています。
その結果、サングラスは“必要不可欠なもの”というよりも、“ちょっと気取ったアイテム”という認識が残りやすいのです。
Ray-Banのサングラスを買ってみた
筆者がサングラスを手にしたのは、友人と立ち寄ったアウトレットでのこと。
友人に勧められ、少し背中を押されるように手に取ったのは、レイバンのモダンな一本。
正直なところ「上質なサングラスなんて、似合わないんじゃないか…」という不安もありましたが、思い切って購入してみました。
数日後、通勤時に試しにかけてみたところ、すぐにその快適さに気づきました。
眩しさを軽減してくれることはもちろんですが、それ以上に感じたのは、外界とのあいだに「もう一枚、自分を守る膜」があるという、心理的な落ち着きです。
サングラスひとつで、まるで自分の内側に一瞬、静寂が生まれるような感覚。
これが想像以上に心地よかったのです。
1. 眩しくない、それだけで快適
当然のように思えるかもしれませんが、「視界に余計なストレスがない」というだけで、私たちの心身は大きく変わります。
まぶたをしかめずに済む。
目の奥が疲れない。
常に穏やかな表情でいられる。
日差しの強い日でも、ふと空を見上げられること。
それは小さなことのようで、実は一日の精神的余白に影響する大きな要素です。
五感のどこかに“無意識のストレス”がかかっていると、人は理由のない苛立ちや疲れを感じてしまうもの。
サングラスは、そういった“目に見えない負荷”を取り除いてくれる、意外な味方なのです。
2. 人混みでの“距離感”が変わる
日本の都市部でサングラスをかけて歩いていると、ときに少し周囲の視線を集めることがあります。
ですが、それが逆に、自分を取り巻く空間をほんの少し緩やかに“緩衝”してくれる感覚にもつながります。
満員電車のなか、雑踏の駅構内、視線が交錯するカフェのカウンター。
そんな場面でサングラスをかけていると、自分と外の世界とのあいだに“距離”がうまれる。
言うなれば、心のためのパーソナルスペースをつくる道具としての役割を担ってくれるのです。
もちろん、周囲に配慮しながら選びたいアイテムですが、
「今日はちょっと人と距離を置きたいな」と思う日には、自分を守る一つの“選択肢”になってくれるかもしれません。
3. コーディネートの“重心”をつくる
サングラスは、顔という“印象の中核”に置かれるアイテムであるため、着こなし全体のバランスや印象を大きく左右します。
シンプルな服装でも、サングラスを一つ加えるだけで、まるで“コーディネートに句読点が打たれたような”締まりが生まれるのです。
筆者のおすすめは、メタルフレームに透け感のあるレンズのデザイン。
完全に目元を隠してしまうのではなく、視線がうっすらと透けるくらいのタイプであれば、
「ちょっとおしゃれなアイテムとして選んでいる」という意思表示にもなり、威圧感を与えずに使えます。
アクセサリー以上に、自分の“気分”や“佇まい”を整えてくれる存在。
それが、サングラスなのかもしれません。
まとめ:日常に小さな“境界線”を
サングラスは、ただ目を守るための道具ではありません。
むしろ、自分の気持ちを切り替えたり、外界との距離を調整したり、ファッションに奥行きを加えるための、小さな“スイッチ”のような存在です。
他人の視線や文化的な空気感に少しだけ背を向けて、自分の心地よさに正直になる。
それができたとき、装いのなかに新しい安心感が生まれるかもしれません。
「今日はちょっと、自分を守りたい日」
そんな気分の日に、ぜひ一本のサングラスを試してみてください。
きっと、目に映る世界が少し違って見えるはずです。
それではまた明日──
SOWN 代表
片倉