── 現代人と余白
電車を待つ。
信号が変わるのを待つ。
レジに並ぶ。
病院で順番を待つ。
日常には、意外とたくさんの「待ち時間」があります。
そして多くの人は、
その時間を少しでも埋めようとする。
気づけばスマホを取り出し、
SNSを見たり、ニュースを読んだり、動画を見たり。
待つことが、どんどん苦手になっている気がします。
昔は、「待つ」がもっと普通だった
少し前までは、
待ち時間はもっと静かなものだったように思います。
電車の窓の外を見る。
ぼんやり考え事をする。
周囲の人を眺める。
特に何もしない時間が、
当たり前に存在していました。
でも今は、
数十秒の空白ですら埋められる。
スマホは、待ち時間を消した
スマホの登場によって、
私たちはほぼ無限に時間を潰せるようになりました。
どんな場所でも、
情報や娯楽にアクセスできる。
それ自体は素晴らしいことです。
でも同時に、
「何もしない時間」も減った。
余白の時間に、人は考える
面白いのは、
良いアイデアや気づきが生まれるのは、
意外とこういう時間だったりすることです。
散歩中。
お風呂の中。
電車を待っている時。
頭をフル回転させている時ではなく、
少し力が抜けている時。
つまり、
待ち時間は単なる空白ではなく、
思考が整理される時間でもある。
「無駄」と「余白」は似ている
効率だけで考えれば、
待ち時間は無駄に見えるかもしれません。
何も生産していない。
何も進んでいない。
でも、
余白も同じです。
何かを生み出しているようには見えない。
それでも、
余白がなければ息苦しくなる。
常に刺激がある状態
現代は、
刺激に囲まれています。
通知。
動画。
SNS。
ニュース。
だからこそ、
待ち時間まで刺激で埋めてしまうと、
脳が休まる場所がなくなる。
常に何かを受け取り続ける状態になる。
あえて何もしない
もちろん、
待ち時間にスマホを見ること自体は悪くありません。
私も普通に見ます。
でも時々、
あえて見ない日があってもいい。
窓の外を見る。
周りを観察する。
考え事をする。
ほんの数分でも、
意外と頭がスッキリすることがあります。
問い
あなたは最近、
何もしていない時間を持てていますか。
移動中。
待ち合わせ前。
信号待ち。
その数十秒や数分を、
すぐに埋めようとしていないでしょうか。
待ち時間は、
確かに効率だけを見れば無駄かもしれません。
でも、
人生に必要なのは効率だけではない。
何も起きていないように見える時間の中で、
人は考え、
整理し、
少しずつ自分を取り戻しているのかもしれません。
だから待ち時間は、
無駄な時間ではなく、
現代人にとって貴重な「余白」なのかもしれません。
それではまた明日──
SOWN 代表
片倉