“孤独”ではなく “孤高”

“孤独”ではなく “孤高”

 

はじめに

 

人と違う道を選ぶ時、たいていの場合、それは「孤独」と隣り合わせです。

多くの人が選ぶルートから外れて、自分の意思で違う方向に歩き出した瞬間、

誰にも相談できず、正解もわからないまま、不安の中で立ち尽くすような感覚に襲われます。


進学、就職、働き方、人生の大きな選択の節々で

「自分が信じた道」が「多数派ではない」と気づいたとき、

きっと誰もが一度はその心細さを感じたことがあるはずです。


でも、その「孤独」にはもう一つの側面があります。

それが、今日のテーマである 「孤高」 という在り方です。

 

 

 

 

 

筆者の場合

 

私自身にも、「孤独だ」と感じる経験がいくつかありました。

例えば、高校3年生の時。突然、デッサンの勉強を始めることを決めたときです。


それまではサッカー部に所属していて、いわゆる「美術」とは無縁の学生生活を送っていました。

そんな中で、進路に迷っていた自分が、何かに突き動かされるように美大受験の道を選び、

鉛筆を握ってひたすら手を動かす日々を始めました。


当然ながら、最初は全く描けません。

美術部の経験者たちに比べて、圧倒的に下手で、周りからの視線も冷たく感じたことを覚えています。

「なぜ今さら?」「急にどうしたの?」という声は、耳に届かなくても心に刺さりました。


このブランドを立ち上げたときも同じです。

企画からデザイン、制作、発信まで、すべて自分でこなす毎日は、

本当に一人ぼっちの作業でした。

華やかに見えるブランドの裏側は、静かな、でも深い孤独の連続だったように思います。


でも、だからこそ、少しずつ実感したことがあります。

それは「孤独」を乗り越えていくと、その先には「孤高」と呼べるような境地があるということです。

 

 

 

 

 

熟考はひとりでしかできない

 

本質的な思考や深い問いは、たいてい「ひとりの時間」から生まれます。

人と話すことでヒントは得られても、本当の意味での「決断」や「創造」は、

最終的には自分一人で静かに向き合わなければなりません。


“自分は何を大事にしているのか”

“なぜこれをやるのか”

“この表現は誰のためで、何を届けたいのか”


そういう問いは、他者の意見で埋めることができません。

ひとりの部屋、ひとりの机、ひとりの作業の中で、

繰り返し考えて、迷って、削ぎ落とすことでしか辿り着けないものがあると思います。


その時間は孤独です。

でもその先にしか、自分だけの確信や、軸となる信念は見つけられません。

 

 

 

 

 

 

孤独はやがて「孤高」になる

 

だからこそ私は、孤独を“悪”として扱わないようにしています。


始めたばかりの頃は、孤独に耐えるだけで精一杯かもしれません。

誰にも認められない、共感もされない、伝わらない。

そんな時間が続けば、やめたくなるのも自然です。


でも、それでもやり続けて、考え続けて、少しずつでも前に進んでいると、

やがてそれは「孤独」ではなく「孤高」へと変わっていきます。


誰もが真似できない、誰とも似ていない、

自分だけが築いた道を歩いているという、自信と誇り。

それは、はじめから与えられるものではなく、

孤独に耐え、試行錯誤した時間があってこそ生まれるものなのだと思います。

 

 

 

 

 

 

周りの人は大切に

 

とはいえ、「一人でやる」ことと、「誰とも関わらない」ことは、別の話です。


私がこうして活動を続けられているのも、

コメントをくれる方や、イベントで出会ったお客様、

応援してくれる人たちがいるからこそです。


孤高を貫くには、確固たる内面が必要ですが、

心のどこかで、誰かの声や支えがあることも、

実はとても大切なのだと実感しています。


孤高とは、誰とも交わらない孤立ではなく、

自分の道を歩きながらも、人とのつながりを大切にできる在り方なのかもしれません。

 

 

 

 

 

まとめ

 

人と違う道を選ぶことは、時に孤独です。

でも、深く考え、信じた道を貫いた先にある「孤高」という在り方は、

誰にでも手が届くものではないかもしれません。


自分にしかできないことを、自分のペースで育てていく。

その先にしか見えない景色があると信じて、これからも歩いていきたいと思います。


孤独を恐れず、むしろそれを乗り越えた先にある「孤高」を

誇りに思えるような活動を続けていけたら、

そんなに強くなくても、十分クリエイティブに生きていけるのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

それではまた明日──

 

SOWN 代表

片倉

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