得意だから続けている
私たちは気づかないうちに、“得意”を軸に生きていることがあります。
人より少し上手にできる。褒められる。結果が出る。
そうした「できること」は、いつの間にか自分のアイデンティティになり、
「好き」よりも「得意」を優先するようになります。
けれど、“得意”は、続けるうちに心をすり減らすこともあります。
誰かの期待に応えるために動いているうちは、
自分の内側の声が少しずつ聞こえなくなっていくのです。
好きなことが、苦しくなる瞬間
一方で、“好き”を選ぶことにも難しさがあります。
本当に好きなことほど、うまくいかないときに苦しくなる。
情熱を注いでいるからこそ、思うように進まない現実に心が折れやすいのです。
「好きで始めたのに、いつの間にか義務になっていた」
そんな経験をした人も多いでしょう。
“好き”は純粋で、同時に壊れやすい感情です。
“得意”を、好きに近づける
では、どうすればいいのでしょうか。
私が思うのは、“好き”と“得意”を切り離すのではなく、
少しずつ“得意”を“好き”に近づけていくこと。
仕事であっても、生活の中であっても、
「このやり方のほうが自分らしい」と感じる瞬間を大切にしていくと、
いつの間にか“得意”の中に“好き”が育っていきます。
心が穏やかになる選択を
“好き”と“得意”のバランスは、正解がありません。
人に誇れるようなスキルを選ぶのもいいし、
誰に理解されなくても“好き”を守るのもいい。
ただ一つ大切なのは、
どちらを選んでも「心が穏やかでいられるか」ということ。
外の評価ではなく、
内側の静けさを感じられる選択こそが、
その人にとって一番の“得意”であり“好き”なのだと思います。
それではまた明日──
SOWN 代表
片倉