はじめに
「〇〇さんって、変わってるよね。」
そう言われたこと、ありませんか?
筆者自身も、学生時代から何度となくそう言われてきました。
たいていの場合、それは悪口でも褒め言葉でもなく、「なんとなく違和感がある」という空気の中で投げられる言葉。
けれど、言われた本人にとっては、けっこう引っかかるものです。
今回は、「変わってるね」という言葉に込められた意味と、その解釈の仕方について、少し丁寧に考えてみたいと思います。
本人に言う必要ある?
まず初めに思うのは、
「それ、わざわざ本人に言う必要ある?」という素朴な疑問です。
「変わってるね」という言葉は、少なくとも
「私はあなたとはちょっと違う」と線を引くニュアンスを含んでいます。
人は、共通点が多い人に親しみを感じ、無意識に“似た人”を好みます。
だからこそ、「違うね」と感じたときに、それを口に出す行為には、
どこか距離を置こうとする気配があるのかもしれません。
言葉は、人と人とのあいだの橋でもあり、壁にもなります。
そう考えると、「変わってるね」という言葉には、言い手の“自分との違和感”がにじんでいることも多いのです。
ポジティブな意味
とはいえ、「変わってるね」という言葉は、必ずしもネガティブな意味ばかりではありません。
実際、“変わってる”と言われる人には、ある種のポジティブな特徴があることも多いです。
-周囲の目を気にせず、自分の価値観を持っている
-好きなものにはとことんこだわる
-一人の時間を大切にし、内省が深い
-他人に流されず、自分を貫く強さがある
こういった人は、創造的な仕事やアート、思考の深さを要する分野で力を発揮する傾向にあります。
筆者も、デザインの仕事を通じて、「変わってる」と言われる自分を肯定できるようになりました。
個性は、見方を変えれば才能の種です。
ネガティブな意味
一方で、そういった個性が周囲と馴染みにくいこともあります。
-協調性に欠けるように見える
-雑談が苦手で、どこか壁を感じさせる
-自分の考えに固執している印象を与える
-周囲のペースに合わせられない
でも、これらの特性は裏を返せば「信念がある」「一貫している」「ブレない」といった長所でもあります。
人との関わり方においてはバランスが大事ですが、すべてを平均化する必要はありません。
“変わってる”という評価も、見る角度によって、ただの「違い」でしかないのです。
会社の中で
会社のような組織では、“変わってる人”はときに扱いづらく思われがちです。
なぜなら、組織は効率や調和を重んじるからです。
ただし、その「異質さ」こそが、ブレイクスルーを生む原動力になることもあります。
特に、企画やクリエイティブの仕事では、平均的な発想からは生まれない視点が重宝されます。
筆者自身、チームの中で「変わってる」と言われることに戸惑ったこともありますが、
あるプロジェクトで、他の誰も思いつかなかったアイデアが採用されたとき、「これでよかったんだ」と思えるようになりました。
違うことは、悪いことじゃない。
むしろ、それが自分にしかない“価値”になることもあるのです。
気にしない、むしろ強み
今の時代、みんなと同じであることよりも、
「自分らしさ」や「個性」をどう生かすかが問われる時代になっています。
働き方も、ライフスタイルも、十人十色。
正解がない時代だからこそ、人と違っていること自体が武器になることもあるんです。
「変わってるね」と言われたら、少しだけ胸を張ってみましょう。
それは、あなたがあなたの感性で生きているという証。
人と違う視点で物事を見られることは、これからの社会にとって、むしろ“強み”になるはずです。
まとめ
「変わってるね」と言われたとき、ちょっとモヤッとしてしまうのは当然です。
でも、それは“あなたにしかない視点がある”という証でもあります。
誰かと違うということは、不安でもあり、同時に希望でもあります。
大切なのは、他人の言葉に揺さぶられるのではなく、
「自分はどう生きたいか」という軸を持つこと。
“変わってる”を、“違う価値を生み出せる強み”として、
自信を持って歩んでいけたら素敵ですね。
それではまた明日──
SOWN 代表
片倉