・はじめに
人気のラーメン屋やカフェ、限定スイーツ、テーマパークのアトラクション…。
私たちは「並ぶ」という行為を当たり前のように受け入れています。
時間を失ってまで列に加わるのは、効率的に考えれば少し不思議なことですよね。
では、なぜ人は並ぶのでしょうか?
・並ぶことは「価値の証明」
まず大きな理由は、行列そのものが“価値の証拠”になるからです。
「こんなに人が並んでいる=きっと美味しいに違いない」「これは体験する価値がある」という暗黙のメッセージになります。
人は他人の選択を参考にする傾向があり、行列は“口コミ以上に分かりやすいサイン”として機能しているのです。
・並ぶことで「期待値」が高まる
もうひとつの理由は、待つ時間が期待をふくらませる効果を持つこと。
心理学的にも「手に入りにくいものほど価値が高く感じられる」という現象があります。
長く並んだ後に食べる一杯のラーメンは、ただのラーメン以上に美味しく感じられるのです。
つまり、並ぶ時間そのものが体験を“特別なもの”に変えているのです。
・並ぶことは「共有体験」でもある
行列には「一体感」もあります。
同じ目的のために並んでいる人たちと空間を共有することで、ちょっとした仲間意識が生まれたりします。
特にイベントや限定グッズの販売などでは、「みんなで待った」というプロセスそのものが思い出になることもあります。
・筆者の体験談
私自身、「並ぶこと」には後悔した経験も、感動した経験もあります。
まず後悔したのは、ディズニーシーの人気アトラクション「タワー・オブ・テラー」に並んだときのこと。
3時間ほど待ってようやく乗ったのですが、実は私は絶叫系が大の苦手…。
いざ体験してみると、「なぜこんな怖いものに3時間も並んでしまったのか」と心底後悔しました。
並んでいる間のワクワク感と、終わった後の虚無感のギャップがすごかったです(笑)。
一方で、並んで良かったと強く感じたのが、同じディズニーシーの「ソアリン」。
どんなアトラクションか全く知らない状態で体験したのですが、実際に乗ってみて感動しました。
待ち時間は長かったものの、まるで世界を旅しているような感覚に圧倒され、並んででも体験できて本当に良かったと思いました。
この2つの体験を比べると、並ぶことの意味は「結果次第で大きく変わる」と痛感します。
並んだからこそ得られる価値もあれば、逆に「無駄だった」と思うこともある。
でもその不確実さこそが、行列に並ぶ行為を人間らしくしているのかもしれません。
・まとめ
人が並ぶのは、効率だけで判断できるものではありません。
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行列が価値を証明してくれる
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待つことで期待が高まる
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並んだ経験そのものが思い出になる
そして実際には、並んだ結果に満足することもあれば、後悔することもある。
それでも、私たちは並ぶことをやめません。
なぜなら「並んでみないと分からない」という不確実さこそが、体験をより特別にしているからだと思うのです。
それではまた明日──
SOWN 代表
片倉