──「私は蝶野雛様ぞ」と、言ってみる勇気。
「自分らしさって、どう育てたらいいんだろう?」
そう思うことが、ふとした瞬間にあるかもしれません。
仕事や人間関係、選択の連続に追われる日々のなかで、自分の“軸”が揺らいでしまうこともあるでしょう。
そんなときに、あるキャラクターの言葉やふるまいが、静かに背中を押してくれることがあります。
今回ご紹介したいのは、漫画『アオのハコ』に登場するサブヒロイン・蝶野雛(ちょうの ひな)。
元気で愛嬌がありながらも、どこか繊細さを隠し持った、魅力的なキャラクター。
(漫画『アオのハコ』は週刊少年ジャンプで連載中の、青春ラブストーリーです。)
※本記事は物語の内容に触れる箇所があります。未読の方はご注意ください。
蝶野雛のふるまいには、他人と比べずに自分を持ち続けるヒントがたくさん詰まっています。
今回は、彼女の姿から“自分軸”を育てる5つの視点を紐解いてみます。
1. 天真爛漫、最強のオープンマインド
蝶野雛は、どんな人にも自然に話しかけます。
主人公・大喜に「観覧料2000円!」と冗談を飛ばしたり、知り合いを見かければすかさず声をかけたり。
その人懐っこさは、まっすぐで飾り気がなく、見ているこちらも肩の力が抜けてしまうほどです。
彼女の魅力は、「誰に対しても、構えずに向き合う姿勢」。
人にどう見られるかを気にしすぎると、素の自分を出すことが怖くなってしまいがちですが、
心の中では繊細な一面を抱えながらも、周囲には明るく、まっすぐに向き合う雛のふるまいには、
「自分を開くこと=強さ」だと感じさせる力があります。
2. 小さな習慣を、ちゃんと味方にする
「私、頑張るの得意じゃないし、我慢して済むなら我慢しないと」
このセリフは、たい焼きを買うのをやめたシーンでのひと言。
何気ない場面ですが、体重管理を求められる新体操選手としての“自分のルール”を、彼女なりに守ろうとする姿が印象的です。
特別な努力をするのではなく、小さな選択を繰り返すことが、自分を整えるということ。
「頑張らないと」と自分を追い詰めるのではなく、「できることを静かに続ける」。
その姿勢に、健やかな自分軸を育てるヒントがあります。
3. 自信がなくても、自信を“演じる”
「誰の心配してんの? 私は蝶野雛様ぞ」
部活での調子を心配する大喜に、雛がそう返すシーン。
堂々としたひと言の裏には、元体操日本代表である父の存在からのプレッシャーや、自分への不安も潜んでいます。
それでも彼女は、自分に「私は大丈夫」と言い聞かせるように振る舞う。
それは、自信があるからではなく、自信を“つくって”いるのだと思います。
私たちも、「できるかわからない」ことに向かうとき、不安が先に立つことがありますよね。
でもそんなときは、「私はできる」と言葉にしてみるだけでも、不思議と気持ちがついてくる。
雛のように、自分を励ますような言葉を口にすることは、心を支える技術なのかもしれません。
4. “好き”という気持ちに、素直でいること
雛は、大喜に好きな人(千夏先輩)がいることを知りながら、告白をします。
この行動は、結果ではなく「気持ちを伝えること」そのものを大切にした証。
たとえ望む結果にならなかったとしても、行動できた自分を誇れるような選択です。
恋愛に限らず、「伝えたい」「挑戦したい」と思う気持ちを、
“どうせ無理”で片付けてしまっていないか?
そんな問いを、雛の姿から投げかけられるような気がします。
“好き”を言葉にする勇気。
それは、他人の評価ではなく、自分の気持ちに正直でいるということでもあります。
5. 強さとは、泣いてもいいと知っていること
物語の中で、雛が涙を見せるシーンはほんのわずかです。
だからこそ、大喜からの返事に涙する場面は、より心を打ちます。
これまで明るく振る舞い、誰かのために笑ってきた雛が、
その仮面を脱ぎ捨てるように感情をあらわにする瞬間。
この姿には、「我慢しなくてもいい」「泣いてもいい」と、
自分を労わるメッセージが込められているように思います。
“自分軸”を持つことは、常に気丈でいることではなく、
弱さや痛みを認めることでもあるのだと、教えてくれます。
まとめ:自分を信じる、という練習。
蝶野雛の魅力は、明るさだけではなく、
その裏にある“揺らぎ”や“不安”をも受け入れながら、それでも自分らしく進もうとする強さにあります。
彼女の言動から学べるのは、
誰かと比べない、自分だけのペースで生きるヒント。
そして、自信がなくても「私は蝶野雛様ぞ」と言ってみるような、
自分を信じる、ちょっとした練習のようなことなのかもしれません。
あなたのなかにも、蝶野雛のような芯の強さが、きっとあるはずです。
それではまた明日──
SOWN 代表
片倉