はじめに
仕事は“信頼の積み重ね”でできています。
その信頼を支えるのが、「言葉の選び方」です。
つい無意識に使っている言葉が、相手に不安や頼りなさを与えてしまうことがあります。
逆に、少しの言い換えや工夫で、「この人に任せたい」と思われることも。
今回は、ビジネスの現場で避けた方がよい口ぐせを5つご紹介します。
言葉を見直すことは、あなたの印象を静かに変える“感性の磨き方”でもあるのです。
1. 「意識します」「考えます」
この言葉は、一見前向きに見えますが、実は行動の確約がない曖昧な表現です。
「意識します」は“頭に置いておく”だけ、
「考えます」は“今すぐは動かない”という印象を与えかねません。
代わりに、「〇〇までに実行します」「まずは〜から着手します」など、
具体的な行動と期限を伝えることで、信頼感が大きく変わります。
「意識」ではなく「動く」。
その違いは、意外と周囲に見られています。
2. 「なるはやで」「できるだけ」
これらも便利なようでいて、責任の所在をぼかす表現です。
「なるべく頑張ります」は、「約束はできません」と言っているのと近いニュアンスに。
ビジネスでは、主観的な表現より、客観的な言葉が求められます。
たとえば「〇日までに提出します」「遅くとも明日中に対応します」など、
相手の判断基準に委ねない言い方に変えることで、信頼は育っていきます。
3. 「どうしたらいいですか?」
これは一見、素直で前向きな質問のように見えますが、
状況によっては“丸投げ”に受け取られる可能性も。
より良い印象を残したいときは、
「自分としては〇〇を考えていますが、ご意見いただけますか?」のように、
自分の考えをセットで伝えると、主体性をアピールできます。
「質問」は信頼を育てるチャンスでもあります。
その使い方で、受け取られ方が変わってきます。
4. 「忙しい」
誰にでもある「忙しい日々」。でも、それを言葉にしてしまうと、
「余裕がない」「仕事を振れない」といったネガティブな印象につながることも。
代わりに、「少し立て込んでいますが、〇日なら対応可能です」など、
状況と対応可能な選択肢をセットで伝えることが大切です。
“忙しさ”は状況であって、あなた自身ではありません。
その切り分けができる人は、周囲に安心感を与えます。
5. 「なんでもいい」
この言葉は、一見柔軟で優しい印象を持たれがちですが、
ときには「無責任」や「興味がない」と受け止められてしまう危うさがあります。
会議や企画の場で「なんでもいい」と答えてしまうと、
「一緒に作っていく姿勢がない」と感じさせてしまうことも。
意見がないときでも、「〇〇か△△のどちらかで悩んでいます」など、
選択肢を提示して一緒に考えるスタンスを見せるだけで、対話の質が変わります。
まとめ
言葉は、ただの伝達手段ではありません。
それは、あなたという人の印象をつくる“アクセサリー”のようなものです。
何気なく使っている言葉が、無意識に信頼を遠ざけてしまうこともあれば、
少しの工夫で、ぐっと関係がスムーズになることもあります。
仕事は、信頼がすべて。
そしてその信頼は、丁寧な言葉から生まれるのです。
それではまた明日──
SOWN 代表
片倉