なぜ人は『褒め言葉』より『一言の批判』を覚えているのか

なぜ人は『褒め言葉』より『一言の批判』を覚えているのか

 

・はじめに

 

誰かから褒めてもらったことは嬉しいはずなのに、ふとした批判の一言のほうがずっと頭に残ってしまう…。

こんな経験、誰にでもあるのではないでしょうか。

今日は、その正体について考えてみたいと思います。

 

 

 

 

・ネガティビティ・バイアスとは


心理学で「ネガティビティ・バイアス」という言葉があります。

これは、人間はポジティブな情報よりもネガティブな情報に強く影響されやすい、という性質のことです。


なぜかというと、進化の過程で「危険を避けること」が生存に直結していたから。

「美味しい果実を見つけた」よりも「毒があるかもしれない」「危険な動物がいるかも」という情報のほうが重要だったわけです。

その名残が、現代の私たちにも残っているんですね。

 

 

 

 


・褒め言葉は「慣れる」、批判は「刺さる」


褒め言葉はもちろん嬉しいですが、人間はすぐに慣れてしまいます。

「今日の服いいね!」と言われても数日後には忘れてしまう。

一方で、「その言い方ちょっと冷たいよね」と言われたら、ずっと心の中で引っかかってしまう。


これは、批判の言葉が「自分を守るために改善しなければならないシグナル」として脳に刻まれてしまうからです。

 

 

 

 

 

・私自身

 

私自身も、褒められたことより批判されたことの方が鮮明に覚えています。

たとえば職場で、上司から「プレゼンのまとめ方がすごく上手だね」と言われたのは嬉しかったのに、それよりも「ちょっと説明が長いかも」という一言がずっと残っていました。

それがきっかけで、自分の話し方に自信を失ったり、必要以上に短く話そうとして逆に伝わりにくくなったり…。

人間って面白いくらい、ネガティブの方を優先して記憶してしまうんですよね。


 

 

 

 

・どう付き合うか

 

大切なのは、批判の一言を「人格否定」ではなく「改善点のヒント」として捉えることです。

もし心に刺さった言葉があったら、


それは本当に自分を良くするための指摘なのか?


相手の感情的な発言に過ぎないのか?

と整理してみると、少し冷静になれます。



そして、褒め言葉もすぐ忘れてしまうので、手帳やメモに残しておくのもおすすめです。

「自分はこういう強みを持っている」と振り返れるだけで、心のバランスが取りやすくなります。

 

 

 

 

 

・まとめ

 

人は進化の名残として、ネガティブな言葉を強く覚えてしまうものです。

でも、それに振り回される必要はありません。

大切なのは、批判をどう活かすか、そして褒められたことを意識的に覚えておくこと。

そうすれば、少しずつ言葉との付き合い方が楽になるはずです。

 

 

 

 

 

 

それではまた明日──

 

SOWN 代表

片倉

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