はじめに
「この仕事、本当に私がやるべきなのかな?」
忙しい毎日のなかで、そんな疑問がふと浮かぶ瞬間はありませんか?
クライアントワーク、チームでのプロジェクト、フリーランスとしてのタスクの山…。
私たちはつい、目の前の依頼をすべて受け止めてしまいがちです。
でも、本当に大切なのは、“全部をやること”ではなく、“意味のあることに集中すること”。
そのためには、**「やらないことを決める」**という選択も必要です。
「私にしかできない仕事」とは?
そもそも、仕事とは“価値を生み出すこと”。
その仕事が、ただの“作業”になってしまっていないか?
そこに自分だからこそできる創意や視点が含まれているか?
たとえば筆者の場合、
ゼロから新しいコンセプトを生み出したり、ストーリーのあるデザインを創出したりといった部分には、自分ならではの価値があります。
しかし、誰がやっても結果が変わらない単純な仕様修正や定型のルーティン作業においては、自分でなくてもよいのです。
「これは、誰かに渡しても同じアウトプットになるか?」
そう自分に問いかけてみてください。
限られた時間で、最大の価値を。
私たちのリソース──時間、集中力、心のゆとり──は無限ではありません。
だからこそ、自分がやるべき仕事を選ぶことが大切です。
あれもこれもと引き受けすぎてしまうと、
本来もっと集中すべき“価値の高い仕事”のクオリティが下がってしまうことも。
これはわがままではなく、プロフェッショナルとしての判断。
大切な仕事のために、自分の力を温存しておく選択でもあるのです。
「断る」ことは、未来の価値を守ること
もちろん、何もかも断ればいいという話ではありません。
誰かの役に立ちたいという気持ちは、とても大切です。
だからこそ、**自分なりの“線引き”**を持っておくことが大切。
その線引きの基準は、たとえばこんな問いです:
「この仕事に、創意工夫の余地はあるか?」
創意を注げない仕事は、価値を生み出しにくく、
自分自身のやりがいも生まれにくいもの。
逆に、少しでも“自分なりに工夫できるポイント”があるなら、
その仕事はあなた自身の表現の場にもなり得ます。
断れない時もあると思います。
その時は自分の中で、この仕事は20%、こっちの仕事は80%
という風に、割り切って引き受けるのも一つの手段です。
“やらないこと”を決めると、やるべきことが見えてくる
何かを手放すということは、わがままでも逃げでもありません。
むしろ、それは**本当に大切なことに集中するための“選択”**です。
仕事を引き受けるたびに、無意識に自分の時間やエネルギーが削られていきます。
すべてに全力で応えるのではなく、自分の“武器”が最も活きる場面を見極めること。
断ることは、あなたが大切にしている信念や、美意識、働き方を守るためのアクションです。
“やらない”を決めた瞬間から、“やるべきこと”の輪郭が、少しずつ浮かび上がってきます。
おわりに
「自分がやる意味があるかどうか」──
それは、あなたが手にしたい未来への選択基準。
すべてを抱え込まずに、自分にしかできないことに集中すること。
それは、自分を大切にしながら、誰かにとっての価値を最大化することにつながっていきます。
あなたが選び取った仕事が、未来のあなたをつくっていきますように。
それではまた明日──
SOWN 代表
片倉