■ はじめに
「才能」って何だろう?
デザインの世界にいると、しばしばそんな問いにぶつかります。
アイデアが瞬時に湧き出る人、圧倒的な技術を持つ人、誰も思いつかない美しい造形を生み出す人。
そういう人たちを見ると、自分にはない“才能”に打ちのめされそうになることもあります。
だけど、ブランドを立ち上げて、日々創作と向き合っていく中で、最近よく思います。
「やめないこと」「続けること」こそが、最大の才能なのかもしれない。
■ 才能がないと思っていた学生時代
学生時代、周りには“すごい人”がたくさんいました。
一発で課題を仕上げる人。
常に褒められる人。
教授に「君はセンスがある」と言われる人。
そんな中で、私は何度も作り直したり、自信をなくしたり、時間がかかってばかりで、自分には「才能がない」と思っていた時期もありました。
でも、不器用でも、時間がかかっても、辞めなかった。
どんなに納得いかない出来でも、何かを作り続けてきた自分がいました。
■ 続けてきたから見えた景色
ブランドを始めて、イベントに出展したり、SNSで発信したり、お客様と直接お話ししたりする中で、「ああ、続けてきてよかった」と思う瞬間に出会うようになりました。
「このブランドの世界観が好きです」
「見た瞬間に、心が動きました」
「本当に素敵なデザインですね」
——そんな声をいただくたび、かつての自分に教えてあげたくなります。
**“すぐにうまくいかなくてもいい。とにかく続けてみて”**と。
■ うまくいかない日も、「少しでも手を動かす」
もちろん、今でもうまくいかない日はあります。
思うように形にならなかったり、自信がなくなったり。
でも、そんな日でも「少しだけ進めてみよう」と、ペンを持ったり、机の上に材料を広げたりしています。
大きな一歩じゃなくていい。
「今日は1mmだけ前に進んだ」
そんな積み重ねが、自分のブランドを育ててきたように思います。
■ 続けることが、信頼につながる
創作をしていると、どうしても「結果」を求められる瞬間があります。
どれだけ売れたか、バズったか、フォロワーが増えたか…。
でも、数字に一喜一憂しすぎて疲れてしまうよりも、**「今日も、自分のペースで続けられた」**という事実のほうが、心の支えになります。
そして、それはお客様にも伝わっている気がします。
「ずっと見てました」「毎回、新作が楽しみです」と言ってくださる方がいるのは、**“ずっと続けている人”**として信頼していただけているからかもしれません。
■ まとめ:才能は“続ける”ことで育つ
派手じゃなくていい。
すぐに評価されなくてもいい。
でも、好きなことに向き合い続けること。やめずに、地道に、自分の世界を積み重ねていくこと。
それが、最大の才能になる時がきっと来る。
これからも私は、自分のペースで続けていきたいと思います。
このブランドと一緒に、自分自身も成長していけたら嬉しいです。
それではまた明日──
SOWN 代表
片倉