私は昔から、競争があまり得意ではありませんでした。
サッカーやバスケのようなチームスポーツは大丈夫なのに、
1対1の勝負や、明確に勝ち負けがつく個人戦になると、一気に苦手意識が出てくる。
ゲームでいうと、マリオカートやマリオパーティはずっと楽しんでいられるのに、
格闘ゲームになると一気にテンションが下がる――そんなタイプです。
なぜかというと、
自分が勝ったとき、負けた相手の気持ちを想像してしまい、素直に喜べないから。
そしてもちろん、負けるのは普通に嫌です(笑)
■「競争が苦手」は劣等ではなく“感受性”
競争が苦手というと、
「負けず嫌いじゃないからでは?」
「あまり強気じゃないから?」
と言われがちですが、実はそういう話ではありません。
競争が苦手な人は、
“自分の感情”より“相手の感情”を先に感じてしまうくらい、感受性が強い。
・相手が傷つくかもしれない
・負けた相手はどんな気持ちだろう
・自分の勝利が、誰かの敗北になる
こうした想像力が働くからこそ、競争を心から楽しめない。
これは弱さではなく、やさしさの裏返しでもあります。
■ 会社でも感じる「静かな競争プレッシャー」
社会人になると、競争はあらゆる場面に潜んでいます。
・評価
・昇進
・成果の比較
・仕事の速さ
・アイデアのコンペ
特にデザインの仕事では、
「アイデアを比べて勝ち負けをつける」というコンペ形式の場面も多く、
これが苦手なタイプの人間には、地味に負荷が大きい。
実際、私は長期的に人と比べられる環境より、ひとりの仕事を任されるほうが力を出しやすいです。
比べられるために頑張るより、誰かのために丁寧に作るほうが自然と集中できるからです。
きっと、同じような人はたくさんいると思います。
■ 競争が苦手だからこそ、育つ「別の強さ」
競争が苦手だからといって、社会で不利になるかといえば、そうでもありません。
このタイプには、このタイプなりの静かな強みがあります。
● 1. 誰かに寄り添う姿勢が自然とできる
相手の気持ちを想像できるから、コミュニケーションが丁寧になる。
● 2. 争わないから、人間関係が安定しやすい
敵をつくらない。
これは仕事でも意外と強い武器になります。
● 3. 比べるより、深める方向へ力が向かう
競争が苦手な人は、“他人より自分”ではなく、“昨日より今日の自分”に意識が向きやすい。
その積み重ねは、最終的に大きな信頼につながります。
■ 「競争が苦手」は、そのままでいい
競争が得意な人は、競争で伸びる人。
競争が苦手な人は、人との関わりや丁寧さで伸びる人。
どちらが正しい、という世界ではありません。
それぞれに強さがあり、
それぞれに合った伸び方があります。
競争が苦手な自分を「性格の欠点」と思う必要はなくて、
むしろ、その繊細さややさしさが、
あなたの仕事の質や、まわりの人を確実に支えています。
それではまた明日──
SOWN 代表
片倉