── 自分では気づかない、自分の日常の価値
自分にとっては、
当たり前のことがある。
毎朝起きて、
仕事に行く。
好きな音楽を聴いて、
休日にはどこかへ出かける。
料理をする人もいれば、
毎日コンビニで済ませる人もいる。
人によって、
当たり前は違う。
でも、
たまに思う。
自分にとっての「普通」は、
誰かにとっては「いいな」と思うものなのかもしれない。
自分では、気づきにくい
例えば、
自分では何気なくやっている仕事が、
誰かから見ると羨ましいことだったりする。
「自分のアイデアを形にできるなんていいね」
と言われても、
本人からすると、
「いや、毎日大変だけどな」
と思う。
好きなことを仕事にしていても、
その仕事の大変さは、
自分にとっては日常だから分かる。
だから、
自分が持っているものの価値は、
自分では見えにくい。
毎日見ている景色は、
特別な景色には見えない。
「いいな」と言われて、初めて気づく
以前、
何気なく自分の話をしたときに、
「それ、いいね」
と言われたことがある。
自分にとっては、
特に珍しい話ではなかった。
でも、
相手にとっては、
やったことがないことだった。
そのとき初めて、
「ああ、
これって自分にとっては普通だけど、
普通じゃないんだ」
と思った。
こういうことは、
意外と多い。
自分が当たり前にできること。
自分が自然に選んでいるもの。
自分が何とも思っていない環境。
それを、
誰かが羨ましいと思っていることがある。
得意なことも、同じ
自分では、
「こんなの誰でもできる」
と思っていることがある。
人の話を聞くのが得意。
文章を書くのが早い。
絵を描ける。
料理ができる。
人とすぐ仲良くなれる。
でも、
本人にとって簡単なことほど、
自分では才能だと思いにくい。
努力して身につけたものなら、
まだ分かりやすい。
でも、
昔から自然にできてしまうことは、
「できて当たり前」になっている。
だから、
自分の得意なことほど、
自分では価値を低く見積もってしまう。
人間関係だって、そう
家族や友達との関係も、
自分にとっては普通かもしれない。
何でも話せる友達がいる。
困ったときに連絡できる人がいる。
何も話さなくても、
一緒にいられる人がいる。
自分にとっては、
昔からそうだから、
特別なことだと思わない。
でも、
そういう関係を持っていない人からすると、
とても羨ましいものかもしれない。
「いつでも会える人がいる」
というのは、
実はかなり特別なことだ。
「特別な人生」を探しすぎなくてもいい
人生をもっと良くしたいと思うと、
新しいものを探したくなる。
もっといい仕事。
もっといい家。
もっといい旅行。
もっと面白い趣味。
もちろん、
そういうものを探すのも楽しい。
でも、
今持っているものを、
一度ちゃんと見てみることも大切なのかもしれない。
毎日帰る場所がある。
話したい人がいる。
好きなものがある。
休日に楽しみにしていることがある。
何となく続いている習慣がある。
そういうものは、
あまりにも日常だから、
価値が見えなくなっているだけかもしれない。
「普通」は、悪いことじゃない
「普通」という言葉には、
少しネガティブな響きがある。
普通の仕事。
普通の生活。
普通の休日。
なんとなく、
「もっと特別じゃなきゃ」
と思ってしまう。
でも、
普通というのは、
価値がないということではない。
むしろ、
毎日繰り返せるくらい、
自分に馴染んでいるということでもある。
毎日使うお気に入りのマグカップ。
何度も行く近所の店。
いつもの帰り道。
気を使わずに話せる友達。
そういうものは、
派手ではない。
でも、
人生の満足感って、
案外そういうものの積み重ねでできている。
自分の「普通」を大切にする
特別なことをする。
遠くへ行く。
新しいものを買う。
何か大きなことを成し遂げる。
そういうことも、
もちろん人生を楽しくしてくれる。
でも、
それだけが人生の価値ではない。
自分にとっては普通の一日。
いつもの仕事。
いつもの食事。
いつもの会話。
いつもの帰り道。
その中にも、
誰かにとっては羨ましいものが、
きっとある。
そして、
自分自身も、
いつかその価値に気づくかもしれない。
何年か経ってから、
「あの頃、
結構幸せだったな」
と思うことだってある。
だから、
たまには今の生活を、
少し離れたところから見てみたい。
「これは普通だから」
と片付けていたものを、
もう一度見てみる。
すると、
何でもない一日の中に、
小さな特別が見つかるかもしれない。
自分にとっての「普通」は、
誰かにとっての「特別」かもしれない。
そして、
もしかすると、
今の自分にとっても、
いつか振り返れば、
今日という日は特別だったと思うのかもしれない。
そう考えると、
何でもない一日も、
少しだけ大切にしたくなる。
それではまた明日──
SOWN 代表
片倉