孤独の中でしか、深く潜れない
孤独と突き抜け力は、比例している気がします。
研究者、アーティスト、起業家。
何かを成し遂げた人たちは、例外なく孤独の中から始まっています。
それは、何かに没頭するときは“ひとり”でなければできないから。
そして、ひとりだからこそ、誰かに満たされたくて努力できるから。
孤独は、人を内側に潜らせ、
自分の核を見つけるための時間なのだと思います。
私を動かしていたのは、満たされない感情だった
私自身、デザイナーを志していた頃は、
孤独を埋めたくて、圧倒的な実力をつけようとしていました。
誰かに認められたかった。
誰かに「すごい」と思われたかった。
あの頃は、“突き抜けること”が、孤独から抜け出す方法だと信じていたんです。
けれど、今振り返ると、
どんなに能力を磨いても、人に満たされることはありませんでした。
人を満たせるのは、人だけ。
孤独の先にあったのは、静かな事実でした。
孤独のまま突き抜けるか、人と共に生きるか
突き抜けるための集中と、
誰かと共に生きるためのやさしさは、
しばしば反対方向を向いています。
目標に向かうとき、人に優しくし続けるのは難しい。
時間も、心の余裕も限られているからです。
でも、人を遠ざけてまで成し遂げたいことがあるなら、
その孤独を恐れずに引き受けるしかない。
孤独は、深く潜るための“圧力”のようなもの。
その圧力に押し潰されず、自分の中に光を見つけられた人が、
最後に突き抜けていくのだと思います。
孤独を悪者にしない
孤独は、誰にでも訪れる自然な感情です。
それを“寂しさ”として避けるのではなく、
“静かな対話”として受け入れることができたら、
人はもう一段、感性が深くなる気がします。
孤独は、あなたを弱くするものではなく、
自分の声を聴くための静けさ。
突き抜けるために必要なのは、
孤独を恐れない心と、孤独から戻ってくる勇気。
人は、ひとりで強くなり、
誰かと出会って優しくなるのだと思います。
それではまた明日──
SOWN 代表
片倉