大人になると、なぜ新しい音楽を聴かなくなるのか

大人になると、なぜ新しい音楽を聴かなくなるのか

 

はじめに

 

最近、新しい曲を聴くことが少なくなったな、と感じます。

学生のころは、周囲が知らないバンドを必死に探して、マイナーな曲を聴くのが楽しかった。

音楽の話題でちょっとした優越感を味わうこともありました。


ところが先日、音楽フェスに行ったときのこと。

大トリを飾ったOfficial髭男dismのステージで、周りが大合唱しているのに、私は曲をほとんど知らず…。

「あんなに音楽を追いかけていたのに、自分はもう“新しい音楽”をキャッチできていないんだ」と、衝撃を受けました。

 

 

 

 

 

 

年齢的な問題

 

ひとつは、やはり年齢の影響があります。

新しくデビューするアーティストは20代の大学生や若手が多い。

学生のころは、その等身大の歌詞や世界観に強く共感できました。

でも今、同じ歌詞を聴くと「若いな〜」と感じてしまう。笑

音楽が悪いわけではなく、自分自身の立場や経験が変わり、受け止め方が変わってしまったのです。

 

 

 

 

 

サブカルの卒業

 

大学生のころって、ちょっと“ひねくれた楽しみ方”をしたくなるものです。

周りが流行の曲や映画を楽しんでいるとき、自分はあえてマイナーなバンドや映画を選び、違う世界を味わう。

それが「自分らしさ」につながっていました。


けれど社会人になると、価値観やコミュニケーションの軸が変わります。

日常の関心が、仕事や生活、人間関係へと広がっていくなかで、サブカルチャーを追いかけること自体が目的ではなくなっていく。

いつの間にか、その頃の“熱”が少しずつ薄れていくのです。

 

 

 

 

 

エンタメに割く時間が減る

 

社会人になると、エンタメに使える時間は確実に減ります。

学生のころは一晩中音楽を聴いたり、ライブに行くために深夜バスに乗ったりすることもできました。

でも仕事を始めると、帰宅後は家族との時間や、自己投資、将来のための学びに時間を使うようになります。


結果として「音楽や映画は、生活に必須ではないから後回し」となり、触れる機会が減ってしまう。

気づけば、自分が聴いているのは昔からのプレイリストばかり。

そんな人も多いのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

アイデンティティの構築要素の変化

 

学生時代は「自分が何を好きか」がアイデンティティをつくる大きな要素でした。

「○○のファン」ということが、そのまま自分の輪郭を示してくれる。


一方、社会人になると「何を好きか」よりも「どんな役割を担うか」「何になるか」が自分を形づくっていきます。

憧れの誰かを追いかけていればよかった学生時代から、今度は自分自身が誰かの憧れになったり、支える存在になったりする。

立場や責任が変わることで、音楽の役割も自然と変わっていくのかもしれません。

 

 

 

 

 

もう一度思い出そう

 

大人になると、新しい音楽を聴かなくなる。

それは「成長した証」でもあり、どこか寂しさを伴う現象でもあります。


でも、思い出してみたいのです。

学生時代、音楽が日常を彩り、未来への不安や喜びを支えてくれたことを。

あのとき、ただ純粋に「好きだから聴く」だけで心が豊かになっていたことを。


仕事や生活のなかで効率や成果を求めることも大切ですが、音楽や映画、小説のように「ただ楽しむだけ」の体験も、私たちの感性を養い、人生をやわらかくしてくれるはずです。

 

 

 

 

 

まとめ

 

大人になると、新しい音楽を聴かなくなる理由には、年齢や環境の変化、時間の制約、価値観の移り変わりがあります。

でもそれは、決して悪いことではなく、人生のステージが変わったということ。


ただ、そのなかで「楽しむだけの時間」を手放す必要はありません。

新しい音楽に出会うことは、日々に彩りを取り戻す小さな冒険でもあります。

だからこそ、ときにはプレイリストを更新してみる。知らないバンドのライブに足を運んでみる。

そんな一歩が、また新しい自分との出会いにつながるのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

それではまた明日──

 

SOWN 代表

片倉

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