──光はなぜロマンを感じさせるのか
子どもの頃、イルミネーションは“キラキラしていて綺麗”という
単純な理由だけでワクワクしていました。
でも大人になると、同じ光を見ても、感じる意味が少し変わっていきます。
嬉しさに混じる切なさ、期待と不安。
光が“ただの装飾”ではなく、物語の始まりのように見えてくる瞬間があります。
今日は、そんな「イルミネーションがロマンを感じさせる理由」を
心理効果とストーリー性の観点から、やさしく紐解いてみます。
光には「時間」を感じさせる力がある
イルミネーションは、昼ではなく“夜”に輝くもの。
つまり光はいつも、闇や静けさとの対比の中にあります。
だからこそ、私たちは光を見ると
「今日が終わっていく感じ」や「年末が近いこと」を自然と感じ取ります。
光=きらめき
闇=日常・ルーティン・忙しさ
この対比が、心の中に“小さな余白”をつくり、
ストーリーの入口のような感覚を呼び起こすのです。
光を見ると、人は“誰か”を思い浮かべる
心理学では、光を見ると人は
**「他者とのつながりを意識しやすい」**と言われています。
イルミネーションを見ながら、ふと誰かの顔を思い出したり、
「この景色を誰かにも見せたい」と感じたり。
光は、記憶や感情のスイッチを押すように
人の心を“誰かに向かわせる力”を持っています。
大人になって気づくこの感覚は、
光が“ロマン”として語られる理由のひとつなのかもしれません。
光は「完成された世界」をつくる
イルミネーションは、街全体をひとつの舞台装置のように変えてしまいます。
・木に巻かれた光が、物語の森のように見えたり
・ビルの光が、未来都市のように感じられたり
・歩道の光が、誰かの幸福を祈るようにきらめいて見えたり
光が加わるだけで、いつもの景色が
フィクションと現実の境界みたいな場所に変わる。
この“非日常のスイッチ”が、大人の心にロマンを与えてくれるのです。
光は未来への期待を象徴している
光は本能的に、「これから始まるもの」を予感させます。
松明、街灯、朝日。
人はいつも光に未来を見てきました。
イルミネーションも同じで、
きらめきを見た瞬間に、言葉では説明できない
“これから何か良いことが起きそう”
という期待が生まれます。
子どもの頃のクリスマスがワクワクしたのも、
実はプレゼントだけでなく、
光が持つこの「未来への信号」のせいなのです。
「光の物語」を感じられるのは、大人になった証拠
大人になると、経験が増え、感情の幅も広がります。
嬉しいだけではないイルミネーションの光に
「懐かしさ」「切なさ」「安らぎ」
いろんな感情を重ねられるようになる。
その変化こそが、
子どもの頃にはわからなかった
**“イルミネーションの物語性”**なのだと思います。
それではまた明日──
SOWN 代表
片倉