はじめに
以前、読書習慣についての記事を書きました。
今回はその続きとして、私が実際に読んで「人生が変わった」と感じた本を3冊、丁寧にご紹介します。
今の自分の悩みに寄り添ってくれるような本に出会うと、それだけで前を向ける。
日々に小さな光を差し込んでくれるのが、本の持つ静かな力だと私は思っています。
1. 七つの習慣(スティーブン・R・コヴィー)
言わずと知れた世界的ベストセラー。
一見するとビジネス書のようですが、その本質は「人生哲学」にあります。
なかでも私が深く共感したのが、第一の習慣「主体的である」。
この言葉に出会ったことで、自分の中に“変えられるもの”と“変えられないもの”を切り分ける視点が芽生えました。
本書では、「影響の輪」と「関心の輪」という概念が紹介されます。
たとえば、天気や政治、他人の態度は「関心の輪」──気になるけれど、自分ではどうにもできないこと。
一方で、自分の態度や選択、努力は「影響の輪」──変えられる領域です。
私たちは、無意識のうちに関心の輪にばかり目を向けて、無力感を抱えてしまうことが多い。
でも、視線を自分の影響の輪に戻せば、たとえ小さくても前進する手応えがある。
この気づきは、日々を生きる足腰をじんわりと強くしてくれました。
2. 人を動かす(デール・カーネギー)
この本は、人と関わるすべての人にとっての“バイブル”と言っていいかもしれません。
派手なテクニックが書かれているわけではありません。
むしろ、当たり前すぎて忘れてしまいそうな「人の心の根っこ」に、静かに灯をともすような本です。
私が特に深く印象に残っているのは、「人間のもっとも根源的な欲求は“自己重要感”である」という考え方。
つまり、人はみな「自分は大切にされている」「価値のある存在だ」と感じたい、という気持ちを根底にもっているということです。
相手を尊重し、誠実な関心を寄せること。
批判ではなく、共感や感謝の言葉を選ぶこと。
そういった“あたりまえだけど難しいこと”を、どんな場面でも意識することが、信頼の土台になるのです。
私自身、この本を読んでから、人との距離感や接し方が少しずつ変わっていきました。
それは、気配りや礼儀を超えた、「相手の存在をどう見るか」の変化だったように思います。
3. あなたは、あなたが使った言葉でできている(ひすいこたろう)
優しい言葉で、自分自身の心を整えてくれる一冊。
どこか疲れていたり、自信を失っている時ほど、静かに沁みてくる本です。
特に私が心に残っているのは、**「人間は“思考”ではなく、“行動”によってできている」**という一節。
たとえば、行動したいのに「今日はなんとなく気分が乗らない」「どうせやっても無理かも」と思考にブレーキをかけられてしまう。
そんな経験、誰しもありますよね。
この本は、そうした“思考”に振り回されず、まず一歩踏み出す勇気をくれます。
「やってから考えよう」「まず立ち上がってみよう」と。
思考に勝とうとしない。考える前に動く。その繰り返しが、人生を動かしていく。
私自身、この本を読んでから、挑戦へのハードルが少し下がったように思います。
どんなに小さくても、行動してみること。
それが、自分の輪郭を確かにしてくれるのだと、教えてくれました。
読書は、静かな革命
人生を一瞬で変える魔法はないけれど、
本は、あなたの内側に静かに変化を起こしてくれる装置です。
「読むことで思考が整い、行動が生まれ、日々の選択が少しずつ変わっていく。」
それが、読書という営みの本質だと思います。
自分の言葉で生きていきたい。そう願う人にこそ、読書は静かに寄り添い続けてくれます。
まずは気になる1冊から。
今のあなたにそっと火を灯してくれる本に、出会えますように。
それではまた明日──
SOWN 代表
片倉