生きていると、気づかないうちに
人生の難易度が少しずつ上がっていると感じることがあります。
昔より忙しくなったから?
責任が増えたから?
周りの期待が重くなったから?
もちろんそれらも理由のひとつですが、
根本にあるのはもっとシンプルで、もっと深い理由だと思っています。
■ ひとりで完結していた頃の人生は、簡単だった
学生時代や独身の頃は、
基本的に自分の人生の“責任者”は自分だけでした。
何かを選ぶときも、失敗したときも、
傷つくのも、笑うのも、自分ひとり。
だからこそ、怖いものが少なかった。
たとえば
・転職してみる
・趣味に散財する
・夜中に急に出かける
・気が合わない人から離れる
これらは全部、誰かに迷惑がかかるわけではありません。
**「ひとりである」ことは、ある意味で“自由の最大値”**でした。
■ 人生の難易度は、“人が増える瞬間”に上がる
結婚、パートナー、子ども、家族。
職場では後輩や部下。
友人との関係も年齢とともに変わっていく。
人生には、
自分以外の人が関わり始める瞬間があります。
そしてその瞬間から、
人生の難易度は確実に一段上がる。
・自分の都合だけで動けなくなる
・相手の幸せまで考える必要が生まれる
・自分以外の“感情”を背負うことになる
・選択の結果が、自分以外にも影響する
結婚や出産はその最たる例です。
ひとりの人生ではなくなるということは、
自由が減るという意味ではなく、
“守るものが増える”ということ。
これは間違いなく、生きる難易度を上げます。
■ 仕事でも同じ。責任は、ひとりでは終わらなくなる
仕事においても、
人生の難易度が上がる瞬間があります。
それは、部下や後輩ができたとき。
自分のミスは自分で背負えるけれど、
誰かのミスも一緒に背負う必要がある。
相手の成長を考える。
言うべきことを、言いにくくても伝える。
守るラインを決める。
ときには自分が矢面に立つ。
“ひとりの仕事”ではなくなる瞬間、
人生は複雑になり、責任の重さが変わる。
怖くもなるし、戸惑いもある。
でもそれは、立場が上がった証でもあります。
■ 難易度が上がることは、悪いことではない
“難易度が上がる”と聞くと、
ネガティブに感じるかもしれません。
でも、実はその逆です。
難易度が上がるのは、
関わってくれる人が増えた証拠。
任されることが増えた証拠。
自分の人生の影響が、誰かの人生にも届き始めた証拠。
ひとりでは味わえなかった喜びや責任が、
複雑さの中に溶け込んでいく。
人生は、年齢とともに難しくなる。
でもそのぶん、深くなる。
■ 難易度が上がった人生を、どう歩いていくか
結局のところ、
人生の難易度は避けられません。
関わる人が増えるほど、
責任も増えるし、選択の重さも変わる。
でも、それは
**「ひとりでは辿れない景色に手が届き始めた」**ということでもある。
守るものがある人生は、
確かに難しい。
でも同時に、
とてつもなく豊かでもある。
それではまた明日──
SOWN 代表
片倉