・はじめに
みなさんは、「フロー型思考」「ストック型思考」という言葉を聞いたことがありますか?
これは、働き方や日々の考え方を整理するうえで、とても役に立つフレームです。
そして、この2つの思考法をうまく使い分けることで、
時間の使い方や、努力の“積み重ね方”が、ぐっと変わってきます。
今回は、未来の自分にやさしい選択をするための、2つの思考法について考えてみましょう。
・フロー型とは
フロー型とは、文字通り「流れていく」仕事や行動スタイル。
たとえば、会社員としての業務や、飲食・接客などのサービス業は基本的にこのタイプです。
また、個人でクライアントからの依頼を受けて仕事をする、フリーランスの方々にもよく見られます。
この働き方の特徴は、「やった分だけ報酬がもらえる」という点。
その時々の仕事に全力で取り組み、結果を出すことで収入や評価につながります。
ただし、仕事が終わると、その成果は基本的に“流れて”しまう。
翌月はまたゼロからのスタートになることも多いのが、フロー型の特徴です。
・ストック型とは
一方、ストック型は「積み上げていく」働き方です。
YouTuberやブロガー、不動産オーナーやサブスクリプション型サービスを展開している人などがこれに該当します。
たとえばYouTubeでアップした動画が、翌日も1年後も再生され続けて収益を生んだり、
一度つくったシステムや商品が継続的に人々に使われていく──そんな状態が、ストック型の理想です。
ポイントは、「自分がその瞬間に働いていなくても、お金や価値を生み出す」というところ。
努力を“資産”に変えていくようなイメージです。
・できればストック型を目指したい
ストック型の働き方には夢があります。
少しずつ積み重ねていけば、未来の自分がどんどん楽になる。
いつか時間やお金の自由度が高まるかもしれません。
でも、現実的にはそれほど簡単ではありませんよね。
コンテンツを出し続けたり、サービスを安定的に運営するには時間も工夫も必要です。
だからこそ、今の仕事や生活の中に、ストック的な考え方を“少しずつ”取り入れていくのがコツかもしれません。
・今の仕事に応用する
たとえば、あなたがエンジニアだったとして──
ある日、アプリにバグが見つかったとしましょう。
フロー型的な対処は、エラーを見つけてすぐ修正コードを当てる。
とりあえず動けばOK、という考え方です。
ストック型的な対処は、「なぜこのエラーが起きたのか?」を根本から分析して、
今後の開発にも活かせるようなドキュメントやコード設計に落とし込む。
一見遠回りに見えて、将来的にはミスを防ぎ、チーム全体の効率も上がる──
そんな考え方こそ、ストック型の思考です。
・日常にもストック型は活きる
これは仕事に限った話ではありません。
たとえば、カッターを使いたいとき、毎回机の中を探してしまうなら……
フロー型の思考なら「とりあえず探す」で終わり。
ストック型なら、「整理して定位置を決めておく」ことで、次回から探さなくて済むようにする。
最初は少し面倒でも、“未来の自分を助ける行動”ができるかどうかで、
日常のストレスも変わってくるんです。
・まとめ
フロー型は「今この瞬間に集中する」力。
ストック型は「未来の自分を助ける」力。
どちらが正しいという話ではありませんが、
今の生活や仕事の中に、少しでもストック的な視点を取り入れてみることで、
努力の“消費”ではなく、“蓄積”ができるようになるかもしれません。
未来を、少しずつ豊かにしていく思考のクセ。
今日から、できるところからはじめてみませんか?
それではまた明日──
SOWN 代表
片倉