はじめに
あらゆる仕事には、選択の連続があります。
その中でもよくある問いのひとつが、
「ニーズのあることをやるべきか、それとも、自分がやりたいことを貫くべきか?」
というもの。
この問いはシンプルなようで、とても本質的です。
誰かの求めに応えるのか。それとも、自分の心の声に従うのか。
その選び方ひとつで、日々の充実度も、将来の景色も、大きく変わってくるものです。
「目的」によって、優先順位は変わる
この問いに対する正解は、ひとつではありません。
それは結局のところ、「あなたが、何のために働くのか」という目的に帰着します。
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生活の安定を第一に考えるなら、ニーズに応えることが重要になります。
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一方で、日々の充実や、自分らしさの発揮を優先したいなら、自分の「やりたいこと」に重きを置くべきでしょう。
どちらが正しい・間違っているという話ではなく、今の自分の目的に合わせて、選ぶ軸を変えることが大切なのです。
「白か黒」ではなく、グラデーションで考える
現実はいつも、そんなに単純ではありません。
「やりたいことだけで食べていく」なんて難しいし、かといって「お金のためだけに働く」ことも、心がもたない。
だからこそ、グラデーションで考えるのがポイントです。
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たとえば、今は生活を優先したいなら「ニーズ80%・やりたいこと20%」くらいのバランスでもいい。
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逆に、余裕が出てきたら「ニーズ20%・やりたいこと80%」へと寄せていく。
定期的にこの“配合比率”を見直してみると、自分にとってちょうどいい働き方が見つかるかもしれません。
自分の状況とフェーズを見極める
どちらを選ぶかは、「今の自分が置かれている状況」によっても変わります。
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もしあなたが将来的に独立や起業を目指しているなら、まずは“人のニーズに応える力”を鍛えることが不可欠。
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一方で、副業や趣味を通じて自分の世界を育てたいなら、“やりたいことに時間を使う”選択の方が合っています。
自分のキャリアフェーズに応じて、どこに力点を置くか。
それを意識するだけで、迷いが少し軽くなります。
「やりたいこと」が「ニーズ」と重なる瞬間
理想的なのは、自分が心からやりたいことと、世の中のニーズが自然に重なること。
たとえば、
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歯科医になりたいという強い想い(やりたいこと)
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多くの人が歯の健康に悩んでいる(ニーズ)
このふたつが重なれば、社会に貢献しながら自分の情熱を燃やすことができます。
でも実際のところ、やりたいことがそのままニーズに直結することは意外と少ないのも現実です。
たとえば「絵が好き」「歌が好き」「アイドルが好き」。
どれも素敵な情熱ですが、生活必需品とは言いにくく、マネタイズが難しい側面もあります。
だからこそ、自分のやりたいことと世の中のニーズをどう結びつけるかが、現代の働き方の一つの鍵になっているのです。
それでも、「やりたいこと」は必要
どれだけニーズがあっても、興味を持てない仕事を続けるのは難しいものです。
お金は稼げるかもしれない。
でも、モチベーションが続かない。
どこかで燃え尽きてしまう。
だからこそ、「自分が本当にやりたいこと」の割合を、ゼロにしないことがとても大切です。
やりたいことが、仕事に直結しなくてもいい。
たとえば副業や趣味、SNSでの発信など、“心のよりどころ”を持つことが、日々のエネルギーになります。
SOWNも、「やりたいこと」から始まった
SOWNというブランドも、最初はまさに“やりたいこと優先”の発想でした。
「音をかたちにしたい」という一風変わった着想。
それがどれくらいの人に伝わるのか、最初は全くわかりませんでした。
けれど、自分が「いい」と思える世界観を大切にしながら、少しずつ形にしていくことで、少しずつ共感が集まってきた。
ニーズに寄せすぎず、自分の信じる世界を磨き続ける。
その姿勢が、今ではSOWNらしさになっています。
まとめ
ニーズに応えるのか、独自を貫くのか。
その答えは、あなたの「目的」と「状況」によって変わります。
大切なのは、一方に偏らないこと。
そして、「やりたいこと」の火を、消さないこと。
自分にとっての“ちょうどいいバランス”を探しながら、心から納得できる選択を重ねていけたら、それが一番健やかな働き方なのかもしれません。
それではまた明日──
SOWN 代表
片倉