はじめに
「センスがいいね」──誰しも一度は言われたことがあるかもしれません。
あるいは、誰かに対してそう感じたことがあるかもしれません。
でも、「センス」っていったい何を指しているのでしょう?
生まれつきの才能? それともセンスがいい人だけに与えられた特権?
今回は、“センス”という曖昧だけど気になる言葉について、もう少し深く掘り下げてみたいと思います。
「センス」と「才能」は、違うもの
まず、はっきりさせておきたいのは、センスは才能とは違うということ。
才能は、生まれ持った資質。伸ばすことはできても、初期値は人によって異なる。
センスは、経験や観察によって磨かれる後天的な感性。
たとえば、アートやファッションに関するセンスは、日常の中の「見る」「感じる」「選ぶ」という行為の積み重ねから育っていくもの。
だからこそ、誰にでも磨くチャンスがあります。
センスは磨ける
「センス」と聞くと、感覚的なものに聞こえるかもしれません。
でも、実際には裏にロジックがあることがほとんどです。
たとえば、
-ファッションなら「素材×色×シルエット×TPO」
-デザインなら「余白×視線誘導×フォント×配色」
どんなに直感的に見える選択も、知識と経験を重ねることで「理由のある選択」へと変わります。
つまり、センスは学べるし、鍛えることができるものなんです。
ディテールを深掘る習慣
センスを磨く上で欠かせないのが、「なぜ?」と立ち止まって考えるクセを持つこと。
たとえば、
-なぜ、今日のコーディネートは褒められたのか?
-なぜ、あのレストランの料理が美味しく感じたのか?
-なぜ、この映画のワンシーンに心を打たれたのか?
小さな違和感や感動を見逃さず、「自分がどう感じたか」だけでなく「なぜそう感じたのか」を言語化していくことが、センスの引き出しを増やすことにつながります。
「センスがあるね」は、無意識の壁?
少し繊細な話ですが、「センスがあっていいね」という言葉には、自分との線引きが含まれていることがあります。
つまり、「あなたはセンスがある人」「私はそうじゃない人」と、境界線を引いてしまっている。
でも、センスは努力や観察の積み重ねによって育てられるもの。
その境界線を自分で引いてしまうのは、もったいないことかもしれません。
もし誰かにセンスを感じたなら、
「どうやってその感性を育てたの?」と尋ねてみてください。
きっと、その人なりの視点や習慣が返ってくるはずです。
まとめ
センスとは、感性を意識的に磨いていくこと。
見る目を持つこと。感じ取るアンテナを持つこと。
そして、そこに理由を与えていくこと。
「センスがいいね」と言われたとき、それは自分の感性が誰かに伝わった証拠です。
それを誇らしく受け取りつつ、これからも丁寧に磨き続けていきましょう。
それではまた明日──
SOWN 代表
片倉