はじめに
みなさんは、日々の暮らしのなかで「コミュニケーションコスト」をかけていますか?
人との会話は、自然と身につくもののように思えますが、実は筋肉のように、使わなければ衰えていくものでもあります。
だからこそ、普段からあえて人との関わりに時間とエネルギーを投じることが大切だと思います。
便利な時代だからこそ、効率のために省略できる会話をつい省いてしまう。
けれど、その小さな省略の積み重ねが、私たちの「会話する力」を少しずつ奪っていくのかもしれません。
みんな避けがち
現代社会は「いかにコミュニケーションコストをかけずに済ませるか」で溢れています。
・チャットで済むことはチャットで終わらせる。
・わざわざ伝えるほどでもないことは言葉にしない。
・初対面の人とは必要以上に関わらない。
効率化の視点から見れば、それは合理的です。
けれど「人とつながる力」を磨くという観点からすると、逆効果かもしれません。
むしろ、意識的に回り道をしてでも「対話」に立ち返ることが、豊かな関係性を育てる第一歩になります。
自分から話しかける
特別な用事がなくても、ふとした瞬間に声をかけてみる。
「今日はいい天気ですね」「この前の話、面白かったです」
──そんな小さな一言でも十分です。
多くの人は、自分に関心を向けてもらえることを嬉しく思うもの。
話しかけられて不快に感じる人はほとんどいません。
勇気を出して自分から会話を始めることで、人間関係はぐっと近づきます。
初めての人と関わる
気心の知れた仲間とだけ過ごしていると、会話の内容や表現が「その輪の中だけで通じるもの」になりがちです。
そこには安心感がある一方で、新しい言葉や価値観に触れる機会は減っていきます。
あえて初めての人に声をかけてみると、自分では思いつかない表現や考えに出会えることがあります。
未知の会話は、自分の感性をひらいてくれる扉でもあるのです。
リアクションを大きく
相手の話を聞くとき、少し大げさなくらいにリアクションをとってみましょう。
「へえ!」「すごいですね!」と声に出し、表情や身振りで応える。
それだけで、相手は安心し、「この人と話すのは楽しい」と感じてくれるものです。
会話はキャッチボール。
ボールを受け止めるリアクションが大きいほど、相手はもっと投げたくなるのです。
自分から会話コストをとりにいこう
コミュニケーションにおいて「コスト」とは、ただの負担ではなく「投資」です。
一見、余計なひと手間に見えるやりとりも、未来の信頼や関係性を育てるための大切な時間。
効率化が進む社会だからこそ、その“非効率”のなかに、温かさや人間らしさが宿ります。
まとめ
私たちは効率や成果を追いかけるあまり、人との関わりにかけるエネルギーを減らしがちです。
けれど、人生を豊かにするのは「うまくできた仕事」だけではなく、「心を通わせた会話」でもあるはず。
小さな一言からでもいい。見知らぬ誰かとの会話でもいい。
少しずつ、自分からコミュニケーションコストを払うことで、人との距離は驚くほど近づいていきます。
その積み重ねが、私たちの感性を磨き、日常を豊かにしてくれるのです。
それではまた明日──
SOWN 代表
片倉