── 「自分の全てをギブしないと、誰も見てくれない」
「ブルーピリオド」という漫画に、
東京藝術大学の教授として登場する猫屋敷先生というキャラクターがいます。
その中で、
「私の全てをギブしないと誰も私の作品を見ない」
という趣旨の言葉が出てきます。
この言葉を読んだとき、
すごく本質的だなと思いました。
特に、
アーティストやクリエイターにとって。
良いものを作れば、誰かが見つけてくれる?
クリエイターをやっていると、
「良いものを作れば評価される」
と思いたくなります。
もちろん、
作品のクオリティは大切です。
でも、
どれだけ良い作品を作っても、
誰にも知られなければ、
存在していないのと同じです。
作品を見てもらう。
知ってもらう。
好きになってもらう。
買ってもらう。
そのためには、
作品以外の部分も必要になります。
「ギブ」は、才能を見せることだけじゃない
例えば、アイドル。
歌が上手い。
ダンスが上手い。
それだけでは、
必ずしも人気になるわけではありません。
ファンが何を求めているのかを考える。
SNSで発信する。
イベントでファンと交流する。
楽しませる。
自分のことを知ってもらう。
つまり、
自分からたくさんのものを、
ファンに与えています。
それによって、
「この人を応援したい」
という気持ちが生まれる。
クリエイターも同じ
これは、
クリエイターにも当てはまると思います。
作品を作るだけではなく、
制作の背景を発信する。
なぜこれを作ったのかを話す。
自分の考えを伝える。
人と会う。
相談に乗る。
誰かの作品を紹介する。
イベントに参加する。
場合によっては、
自分の失敗や悩みまで見せる。
そうやって、
少しずつ「自分」という存在を知ってもらう。
作品だけではなく、
その人自身に興味を持ってもらう。
これが、
「ギブ」の一つなのだと思います。
圧倒的な才能だけで勝てる人は、かなり少ない
もちろん、
世の中にはいます。
誰とも積極的に関わらない。
自分から発信もしない。
営業もしない。
それでも、
圧倒的な才能と実力だけで、
世の中に見つかる人。
そういう人は、
確かに存在します。
でも、
かなり稀です。
多くの人は、
そこまで圧倒的な才能を持っているわけではありません。
だからこそ、
自分から動く。
自分から与える。
自分を知ってもらう。
その積み重ねが、
結果的に評価につながっていく。
ギブは「媚びる」とは違う
ここは、
少し注意したいところです。
「認められるために、
人に媚びる」
という話ではありません。
自分を偽って、
相手が喜びそうなことだけをする必要もない。
むしろ、
自分が持っているものを、惜しみなく渡す。
自分の知識。
自分の経験。
自分の作品。
自分の時間。
自分のアイデア。
自分の人柄。
そういうものを、
ちゃんと外に出していく。
それが、
ギブなのだと思います。
「自分を出し切る」から、見てもらえる
考えてみれば、
作品も同じです。
中途半端に、
「これくらいでいいかな」
と作ったものより、
自分が持っているものを、
全部注ぎ込んだものの方が、
人の心に残ります。
だから、
「私の全てをギブしないと誰も私の作品を見ない」
という言葉は、
単純に作品の話だけではないのだと思います。
自分の持っているものを、ちゃんと世の中に差し出す。
そこまでやって、
初めて誰かが、
「この人、面白いな」
「この作品、好きだな」
と気づいてくれる。
認められたい。
評価されたい。
自分の作品を見てもらいたい。
そう思うなら、
まず自分から、
何かを与える。
作品だけではなく、
知識でも、
言葉でも、
時間でも、
人柄でもいい。
ギブするから、興味を持ってもらえる。
興味を持ってもらえるから、
作品を見てもらえる。
作品を見てもらえるから、
好きになってもらえる。
そして、
少しずつ認められていく。
そんな循環が、
クリエイターには必要なのかもしれません。
「良いものを作っていれば、いつか誰かが見つけてくれる」
ではなく、
「見つけてもらうために、自分から全部出していく。」
それくらいの気持ちで、
ちょうどいいのかもしれません。
それではまた明日──
SOWN 代表
片倉