「やる気が出ない日」は、誰にでもあります。
頭では「やらなきゃ」と分かっているのに、体も心もついてこない。
気持ちの問題だと言われると、余計に自分を責めてしまう──そんな経験がある人も多いはずです。
でも本当は、やる気やモチベーションというのは、
天気のように自然に揺れ動くもので、コントロールするのがとても難しい領域。
だからこそ、そこに頼りすぎないほうが、むしろ毎日は軽くなります。
■ やる気とは「気分」ではなく“条件”
多くの人が誤解しがちですが、やる気は「気持ち」ではありません。
正しくは、条件が整ったときに自然に出る反応です。
たとえば
・十分な睡眠
・少しの余裕
・簡単にできる小さな一歩
・誰かの言葉
・環境の変化
こういう“外側の条件”がそろった瞬間に、やる気はスッと動き出します。
逆に、
睡眠不足のときやストレスが溜まっているとき、忙しすぎるときに
「やる気が出ない自分が悪い」と思うのは、ただの勘違い。
条件が悪いだけで、自分に問題があるわけではないんですよね。
■ モチベーションは「火」ではなく“風”
よく「モチベーションが上がる」という表現があり、火のような燃え上がりをイメージしますが、
実際のモチベーションは火ではなく、風に近いと思っています。
・突然ふく日もあれば
・全然ふかない日もある
・強い時期もあるし
・弱い時期もある
そして最大のポイントは、
風を起こすのは自分ではなく、ほとんどが外的要因だということ。
だから、「モチベーションを上げなきゃ」と必死になるほど、
心が空回りしてしまうのです。
むしろ、風が吹くのを待ちながら、できることを淡々と進めるほうが続きます。
■ 気持ちに頼らず「仕組み」に頼るほうがやさしい
やる気やモチベーションは気分の産物なので、
毎日安定させるのはほぼ不可能です。
だからこそ、気持ちに頼らず、仕組みに頼ることが大事。
・朝起きてすぐやる
・作業前のルーティンを決める
・5分だけ手をつける
・場所を変える
・完璧を求めない
こうした小さな「仕組み」は、気持ちとは関係なく行動を動かしてくれます。
気分は天気のように変わるけれど、仕組みは変わらない。
そこに支えられる安心があります。
■ “やる気がある自分”より、“やさしく扱える自分”を
最後に、大切にしたいことがあります。
やる気が出るかどうかより、
やる気が出ない自分に優しくできるかどうかのほうが、人生はうまくいく。
「今日は風が弱いな」
「条件が整ってないだけか」
そう思えるだけで、心の負担はぐっと軽くなる。
やる気に振り回されないためには、
気持ちを上げることより、自分を責めない習慣の方がずっと役に立ちます。
それではまた明日──
SOWN 代表
片倉