導入
「ちゃんと説明したはずなのに、伝わっていない」
仕事をしていると、
そんな場面に何度も出会います。
言葉は間違っていないし、
情報としては正確に書いている。
それでも、なぜかズレが生まれる。
このとき起きているのは、
単なるミスではなく、
“情報”と“伝わり方”のズレなのかもしれません。
1|“正確さ”と“伝わること”は違う
まず前提として、
正確に伝えることと、伝わることは同じではありません。
・事実として正しい
・論理的に整っている
それだけでは、
相手にとって理解しやすいとは限らない。
なぜなら、
人は情報だけでなく、
文脈や前提、感覚も含めて受け取っているからです。
2|テキストは“ニュアンス”が削られる
特にメールやチャットのようなテキストでは、
多くの情報が削ぎ落とされています。
・声のトーン
・表情
・間(ま)や空気感
これらがない状態でやり取りするため、
同じ文章でも、受け取り方に幅が出る。
書き手が意図していないニュアンスで
読まれてしまうこともある。
つまり、テキストは
**“誤解が起きやすい前提のコミュニケーション”**です。
3|“前提のズレ”がすべてを変える
伝わらない原因の多くは、
実は情報そのものではなく、
前提のズレにあります。
・相手がどこまで理解しているか
・何を重要だと思っているか
・どんな状況で読んでいるか
これらが噛み合っていないと、
どれだけ丁寧に書いてもズレは生まれる。
逆に言えば、
前提が揃っていれば、多少ラフでも伝わる。
4|“少しだけ補う”ことで変わる
ではどうすればいいのか。
答えはシンプルで、
少しだけニュアンスを補うことです。
・結論だけでなく、意図も書く
・なぜそうしたのかを添える
・相手の理解度を想像する
ほんの一言でいい。
その補足があるだけで、
相手の中での解釈のズレが減っていく。
5|伝えることは、“設計”に近い
伝えるという行為は、
ただ情報を並べることではありません。
むしろ、
・どう読まれるか
・どう受け取られるか
・どんな順番で理解されるか
そうしたことを考える、
“設計”に近い行為です。
ここに意識が向くかどうかで、
伝わり方は大きく変わる。
まとめ
「ちゃんと伝えたのに伝わらない」
そのとき起きているのは、
能力の問題ではなく、
情報とニュアンスのズレです。
正確さだけでは足りない。
・前提を揃えること
・ニュアンスを少し補うこと
・相手の視点で考えること
その小さな意識が、
“伝わるかどうか”を大きく左右する。
テキスト中心の時代だからこそ、
何を言うかだけでなく、どう伝わるかまで考えること。
それが、コミュニケーションの質を
静かに底上げしていくのだと思います。
それではまた明日──
SOWN 代表
片倉