はじめに
皆さんは、人から相談されることはありますか?
「ちょっと聞いてほしいんだけど…」と話しかけられると、どこか信頼されているような気がして、うれしくなることがありますよね。
とはいえ、誰でも相談されるわけではありません。
どんなに優しい人でも、どれだけ頭のいい人でも、「この人になら話せる」と思える空気感や安心感を持っていなければ、人はなかなか心を開きません。
今回は、「相談されやすい人」にはどんな共通点があるのかを、私自身の経験も交えながら整理してみました。
人間関係をより良くしたい方、誰かの力になりたいと思っている方のヒントになれば幸いです。
感情で考えられる人
相談というのは、多くの場合「すでに答えは見えている」ことが多いです。
でも、それを行動に移す勇気がなかったり、自分の気持ちを整理できていなかったりして、誰かに話すことで「気づき」や「背中を押してもらう」ことを求めています。
そんなときに、正論で返されると逆に傷ついてしまうことがあります。
たとえば、
「仕事がつらくて辞めたいんだよね…」
という相談に対して、
「でも今辞めたら次の職探し大変だよ?最低でも1年は我慢した方がいいよ」
と返されたらどう感じるでしょう?
その通りかもしれません。でも、今はそれを聞きたいんじゃない。
「つらいよね」「よく頑張ってるよね」
まずは**“感情”に共感してほしい**んです。
相談される人は、「答え」よりも「心」に耳を傾けられる人。
論理より感情を大切にできる人です。
ひたすら聞ける人
相談されると、つい自分の意見を言いたくなったり、すぐにアドバイスをしなきゃと焦ってしまうことがあります。
でも実際、多くの人は**「ただ話を聞いてほしい」だけ**だったりします。
「聞いてくれてありがとう、ちょっとスッキリした」と言われるような相談の多くは、相手の中にすでに答えがあったんです。
それを引き出すように、余計なジャッジをせず、ただじっくり耳を傾ける。
この「聞く力」は、簡単なようでいて、実はとても奥が深い力です。
目を見て、相づちを打ち、ときには黙って一緒に沈黙する。
そうやって話す人の“温度”に合わせられる人は、自然と「また話したい」と思われる存在になります。
自分の言葉で伝える
誰かの相談に応えるとき、「一般的にはこう言われてるよね」とか「ネットで読んだけどさ…」といった言葉だけでは、相手の心には届きません。
たとえ正しくても、どこか他人事のように聞こえてしまうからです。
相談される人は、自分の過去の経験や感情をベースに、自分の言葉で話します。
「私も昔、似たようなことで悩んでたことがあってさ」
「当時はつらかったけど、今になって思うとこう考えられるようになった」
そんなふうに、その人自身の人生や思いがこもっている言葉には、圧倒的な信頼感があります。
たとえアドバイスではなくても、「この人はちゃんと私のことを見てくれてる」と伝わるのです。
驚かない人
人は、本当に悩んでいるときほど「言っても大丈夫かな…」「引かれないかな…」という不安を抱えています。
だからこそ、相談を打ち明けるというのは、実はとても勇気のいる行動です。
そこで、
「えっ!?本当に!?それはやばいでしょ…」
と返されてしまうと、「やっぱり言わなきゃよかったかも…」と後悔させてしまいます。
相談される人は、どんな内容にも動じず、驚かない人です。
「うん、そうなんだね」と受け止め、まずは安心させてくれる。
自分のどんな一面を見せても、「この人は否定しない」という安心感があるから、また相談したくなるのです。
頭がいい人
ここで言う「頭がいい」とは、学歴や知識ではなく、人の気持ちを汲み取れる知性のことです。
相手の状況や価値観を尊重しながら、自分の意見を押しつけずにヒントを出せる。
感情と理性のバランスが取れたコミュニケーションができる人は、まさに信頼される存在です。
また、話を整理する力も大事です。
相手の話を要点でまとめ直してくれたり、「それってつまりこういうことかな?」と返してくれると、自分の中でもモヤモヤが整理されていきます。
「話すと頭がスッキリする」
そう思わせてくれる人には、自然と相談が集まります。
まとめ
相談される人には、共通してこんな特徴があります:
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正論ではなく、まず感情に寄り添える
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解決よりも“理解”を優先してひたすら聞ける
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自分の言葉、自分の経験で伝えられる
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どんな内容でも動じず、受け止めてくれる
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相手の気持ちをくみ取り、整理できる柔らかい知性がある
相談されるということは、相手にとって“安心できる存在”であることの証です。
誰かの心を軽くするために、私たちも「話せる人」から「聞ける人」になっていきたいですね。
それではまた明日──
SOWN 代表
片倉